異例尽くしの2軍開幕戦で敗れた掛布2軍監督が笑顔だった理由
まだ開幕1軍のチャンスのある江越と、ファームの開幕戦の4番に抜擢した陽川には、「結果だけを求めず、今、自分が取り組んでいるものを実践の中で出すこと。それだけを考えればいい」と、伝えて送り出した。試合には敗れたが、2人はそれぞれ収穫と課題をみつけた。 掛布2軍監督が言う。 「江越が開幕1軍に間にあうかどうか。この3連戦を江越にやってもいいんだ」 試合前、掛布2軍監督が一枚、一枚手書きでサインした野球カードが550枚、先着のファンに配られた。新バージョンも加えて2種類の4ページの立派な野球カードである。「ファンに見てもらうことで選手が育つ。早くからたくさんのファンに方に来ていただいたからね。せめてもの感謝の気持ち」。 ――今日は、試合中、ずっと笑っていましたね? 「指揮官が、ムスっと怖い顔をしていて選手が思い切って力を出せるかな? 一人ひとり責任は自分にあるんだ。選手が持っているものを出せる環境を作ってやらないとな。そして僕も、忘れていた勝負勘が徐々に戻ってきた気がする」 今日、16日の同じく中日戦の先発は、2年前のドラフト1位左腕で、先発6番手候補、岩貞祐太(24)が3イニング、2年目でキャンプでの成長が目をひいた守屋巧輝(22)が3イニングを任される予定でいる。死球を受けた怪我が心配の荒木郁也(27)に代え、1本出た中谷将大(23)を3番に抜擢する。 「今日の重たい負けの責任をどう選手が受け止め、明日の試合に反映させるか。そこが楽しみだ」 掛布2軍監督の目がまた細くなった。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)