異例尽くしの2軍開幕戦で敗れた掛布2軍監督が笑顔だった理由
掛布2軍監督は、「先取点でゲームを動かしたい。大切なのは序盤のボールの見極め」と語っていたが、中日の先発、伊藤準規(25)から2回に待望の先取点を奪う。一死から5番のペレス(28)がライト前ヒット。続く柴田がライト線を破り、フルカウントでスタートを切っていたペレスが一気にホームに生還した。 しかし島本が、そのリードを守ることができない。3回に一死から堂上直倫(27)、松井佑介(28)に連打を浴び、ナニータのインサイドを狙ったストレートが真ん中に入り、センターオーバーの逆転3ラン。さらに最初の打席で、ヒヤっとさせられた福田に初球の甘い変化球をとらえられレフト越えに連続アーチを浴びてしまう。4回にも、自らのバント処理ミスなどからピンチを広げ、松井佑に2点タイムリーを許し、1-6とリードを広げられてしまった。6回には、3番手の伊藤和雄(26)が崩れて3失点。ここで勝負あった。 阪神打線は、毎回、走者を出しながらも、中日の武藤祐太(26)、小川龍也(24)、育成の岸本淳希(20)、育成の三ツ間卓也(23)のリレーの前に8回まで無得点。最終回に金子丈(23)から4番に抜擢されていた陽川尚将(24)が1号を放って一矢を報いたが、13残塁で2-9の大敗となった。 悔しさに打ち震えてもおかしくない試合展開だったが、掛布2軍監督は、ずっと笑顔を絶やさなかった。本塁打を打たれても「OK!OK!次だ」と声を出し、積極的なスイングには凡退しても「OK!」と手を叩いた。 8回二死一二塁から、1番に抜擢されていた江越大賀(23)は、ショート正面のゴロに打ち取られたが、中日の三ツ俣大樹(23)が、ほんの一瞬、ジャックルすると全力疾走で一塁を駆け抜けてセーフを拾った。試合後のコーチミーティングで、掛布2軍監督は、このプレーをピックアップした。 「8点差。それでも、あの全力疾走に江越の気持ちが見えた。ああいうプレーは評価してやってくれ! でも1本が出ないなあ。これは我々の永遠のテーマだ」