前園氏「左サイドの攻防」で主導権を握りコロンビア攻略を
サッカーのワールドカップ(W杯)ブラジル大会で日本は25日早朝(日本時間)、コロンビアと対戦する。グループリーグ突破のためには勝つことが最低条件。この崖っぷちの戦いに勝利するために、日本はどう戦うべきなのか。元日本代表のサッカー解説者、前園真聖氏に聞いた。 【動画まとめ】サッカー解説者らによる「W杯徹底解説」 前園氏はこれまでの2戦は日本らしい戦いができていないと分析。原点に帰って「前線からボールを奪いに行ってパスをつなぎ攻撃する自分たちのサッカー」を出し切ってほしいと訴える。
左サイドで主導権を
では日本はコロンビアをどう攻略していけばいいのか。前園氏は「日本の左サイドの攻防がカギになる」という。 コロンビアについては、「南米チームらしい個の力だけでなく、組織もしっかりしていて攻守のバランスもいい」と分析。10番のハメス・ロドリゲスは、いろいろなところにボールを出すことができ、一発のパスでゴールを狙えるような正確さを持っている。「ハメス・ロドリゲスを中心に、右サイドのフアン・クアドラードはタテへの突破、スピード、決定力がある」と、2人のホットラインを警戒する。 コロンビアの右サイド・クアドラードとマッチアップするのが、左サイドバックの長友だ。前園氏はこの2人のどちらが攻撃で主導権が握れるかがカギだという。「長友が守備のポジションにいる時間が長いときは日本が押されているとき。長友が前線まで上がってクアドラードを守備に回らせる時間を長く作れれば、日本がいい攻撃をしていて、得点チャンスが生まれているとき」と指摘。 この左サイドの駆け引きで劣勢になると香川も守備に回ることになる。左サイドは日本のストロングポイント。ここで主導権を握ることができれば日本は得点のチャンスが増えるし、逆に長友、香川が守備に忙殺されるようだと厳しい戦いになる。
勇気を持ってコンパクトさを保つ
また、コロンビア戦に向けてコンパクトさが大事だという。「第2戦までやってこなかったが、最終ラインからフォワードまでの距離を間延びさせるのではなくコンパクトにすること。コンパクトにした中でプレスをかけ続ける。スペースを与えるとコロンビアの選手は技術もスピードもあるので1対1の局面で簡単にやられてしまう」。 コンパクトにして攻守の距離感を保ち、ダイレクトパスや早い判断でボールを回しながら相手の裏をとっていくのが日本の持ち味。しかし、コンパクトさがないと相手に自由を与えてしまう。前園氏は「攻撃のときもどれだけ(最終ラインを)押し上げてコンパクトさを保てるかがポイント」という。 だが、これには当然リスクも伴う。高いラインを維持することでディフェンスの背後のスペースを使われる危険性もある。ただ「守備的にやっても守備で体力を使われるし、奪ってもゴールまでの距離が長い。同じリスクがあるなら、勝たなくてはいけない試合なのでより攻撃的に試合を進めるのが大事」と勇気を持ってコンパクトさを保つことを強調する。