金谷拓実が悲願成就で涙「報われてうれしい」 先輩・松山英樹の待つ夢舞台へ
<米国男子ツアー最終予選会(Qスクール) 最終日◇15日◇TPCソーグラス・ダイズバレーC、ソーグラスCC(米フロリダ州)◇6850ヤード・パー70(DV)、7054ヤード・パー70(CC)> 【写真】かわいい後輩たちと笑顔の松山英樹 「本当に苦しかった…。うれしい。それだけです」。金谷拓実は念願の米ツアー出場権を獲得し、涙を流しながら言葉を絞り出した。 最終予選会は、5位タイまでが通過できる狭き門。「どの一打にも集中して一生懸命やれば、必ず結果が出ると信じてプレーした」。初日からアンダーパーを記録し続けて、単独3位の好位置で最終日を迎えた。 トゥデイイーブンで迎えた16番パー5で、値千金のバーディを奪取。17番、18番はパーでしのぎ、どちらのホールでも力強いガッツポーズを繰り出した。「最後は落とせない状況だった。これまでやってきたことが、苦しい場面で生かされた。どの一打も大切にしてきたのが報われて、本当にうれしい」と笑顔を見せた。 アマチュア時代から米国の地に憧れを抱いていた。18番ホールを終えて、カートでコースを後にする途中で、自然と涙がこぼれた。 「悔しくて泣いたことはありましたけど、うれしくて泣いたのは初めて。自分でmoビックリしました。『しゃべれねえわ~』って(笑)。今まで悔しいことばかりだったから、本当に良かった」 これまでにも、海外へ本格参戦するチャンスはあった。2023年には日本ツアー賞金ランキング3位になり、欧州ツアーへの出場権を得た。しかし出場機会に恵まれず、思うような結果を残せなかった。海外メジャーにも毎年のように参戦したが、レベルの高さを痛感するばかりで、「『こんなに難しいんだ』と感じながら、辛い思いをして帰国することが続いた」。 2018年「アジア・パシフィックアマチュア選手権」で優勝し、2019年には国内男子ツアー「三井住友VISA太平洋マスターズ」で史上4人目のアマチュアVを果たした逸材も、プロ入り後は「ずっと苦しかった」と明かす。それでも、モットーである“一打集中”を胸に日々の努力を続けた結果、この日の歓喜を迎えることができた。 来年からは東北福祉大の先輩・松山英樹と同じフィールドに立つ。「練習や試合でご一緒させてもらうことも多いですが、すごく勉強になる。憧れでもあり、目標です」。ただ、これからは優勝を競うライバルだ。「成長を続けないと絶対に勝てない。一日一日が勝負だと思うので、頑張ります」と“打倒・松山英樹”を一つの目標として、これからも精進していく。 「諦めずにこうして頑張っていれば、チャンスをつかむことができる。でも、これからが本当の勝負。一日一日を大切にしながら、しっかり準備をして挑んでいきます」。日本の賞金王が満を持して新天地へと旅立っていく。