谷亮子が語った「代表監督就任への意欲」 日本初の女性監督が誕生? 本人は「依頼があれば」
合宿での阿部詩からの質問
52キロ級で連覇を狙ったもののあえなく2回戦で敗退した阿部詩(うた・24)は、 「4年に1回しか巡ってこないチャンスを絶対につかむんだ、という気持ちが分かるので、負けた時は残念でした。実は、4月に女子代表合宿に招かれて、彼女たちに講義をした際、質問タイムで詩選手から『プレッシャーがかかる中でどうやって勝ち続けてきたんですか』と尋ねられたんです。相当プレッシャーがあると感じました。プレッシャーに打ち勝つには、応援を力に変えることや、稽古に裏付けられた自信を持つことなどが大切。詩選手も心得ていたと思いますが、研究されていたし、負けた相手も世界ランキング1位で強かった(今大会も金を獲得)」
監督就任は「依頼があれば」
……と、かくも子細に分析なさっているならば、日本代表のコーチ、いや監督にという声もあるのでは? 「そうなんですか。そういう声があるなら、それはうれしいですね。これまで全柔連では理事を務めさせていただいたりしていましたが、(監督職は)依頼があれば、ですね。世界では、私と競い合った選手が監督をやっていたりしますから」 わが国の柔道界ではこれまで、女子代表ですら女性監督は生まれていない。 「世界では女性監督がいますし、男子代表監督を女性が務めている国もあります。選手側が監督を決めるのもいいと思います」 今大会、谷氏は、日本選手の一本負けが多いように感じたという。 「海外勢がレベルアップした証明でもありますが、練習方法、研究、精神面などを含めて再び世界をけん引する強化策が急務ですね」 “田村で金”“谷でも金”“ママでも金”とくれば、次は“監督でも金”か。 「週刊新潮」2024年8月15・22日号 掲載
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