観光情報、戦略的に発信 鹿県奄振計画・与論島
鹿児島県策定の「奄美群島振興開発計画」(2024年度~28年度)の島別振興方策によると、与論島では海洋レクリエーションなど滞在型・着地型観光に対応した観光施設や宿泊施設の整備・充実を促進する。デジタル技術を活用したマーケティング結果に基づき、戦略的かつ効果的なプロモーションを行うことで、国内外への魅力ある観光情報の発信に力を入れていく。 観光関連では、今後増加が見込まれるアジアをはじめとした海外からの観光客を視野に入れ、多言語によるインターネットなどでの情報発信や外国語併記の観光案内標識の設置に取り組む。特定地域づくり事業協同組合や起業への支援制度を紹介し、地域コミュニティーとの円滑な関係構築に向けた取り組みを進めるなど、総合的な移住支援を展開する。 農業では、サトイモやインゲン、ニガウリなど野菜の産地拡大を推進。果樹・花きでは、マンゴーやソリダゴ、トルコギキョウの栽培技術の向上、各種事業を活用した施設整備などの取り組みを支援する。モズク養殖業のさらなる振興も図る。製糖工場では、国内産糖の価格競争力の強化と労働力不足に対応するため、自動化設備の導入や一人で複数の業務や作業を行う多能工の育成などを促進する。 農畜産物の島外への輸送については、フリーザーコンテナや集出荷予冷施設の効率的活用を図るなど、鮮度保持対策と新鮮な農畜産物を迅速に低コストで輸送する体制の確立に努める。 与論港は、定期フェリーなどの安全な利用を図るため、港湾施設の老朽化対策を進める。台風など荒天時の欠航や抜港で生活関連物資が不足する事態が生じていることから、それらの影響を軽減するため、船会社や地元と連携しながら必要な対策を検討していく。 県道与論島循環線の整備も進め、住民らの利便性向上を図る。