男女共同参画事業の予算は9兆円? 繰り返し拡散する情報【ファクトチェック】
拡散した画像は
検証対象の情報に添付された画像には「男女共同参画事業イベント一覧」として、「ヨガ講座」「タップダンス教室」「ピラティス教室」などが並んでいる。 JFCは総務課調査室にこれらが男女共同参画の事業として実施されているのか確認した。「どのような基準に基づきとりまとめられたのか不明であり、一部のイベントについては具体的に何を指しているのか不明であるものも含まれており、正確に回答することは困難であるため、予断をもってお答えすることは差し控えます」と回答があった。
過去にも拡散して検証済みの情報
男女共同参画に関する予算への批判として、今回の検証対象に添付された画像の「男女共同参画事業イベント一覧」を用いた投稿は過去に何度も拡散しているほか、防衛費などと予算の規模を比較する主張もある。 過去にはBuzzFeedが2020年と2022年の2回にわたって男女共同参画に関する予算についての情報をファクトチェックする記事を公開している。どちらの記事でも、2000年代から「男女共同参画事業の予算が10兆円規模である」といった様々な情報が拡散していたことや、政治団体の党首が選挙演説で主張をしていたことに触れながら、いずれも「ミスリード」と判定している。
判定
男女共同参画事業の予算が9兆円だとする主張は、ミスリードで不正確。2024年度「男女共同参画参画基本計画関係予算」は10兆円を超えているが、その全てが男女共同参画社会の実現を直接の目的とする事業に使われるわけではない。社会保障や子ども・子育て支援、教育関係費といった、男女共同参画に何らかの効果がある各省庁の施策・事業予算が全てまとめて計上されている。 検証:リサーチチーム 編集:古田大輔、野上英文 判定基準などはJFCファクトチェック指針をご参照ください。