「THU JAPAN 2023」早川千絵監督 演技を通して見えてくる、“演出”の面白さ【CINEMORE ACADEMY Vol.33】
ストーリーテリングと演技ワークショップ
Q:「THU JAPAN」には初めての参加ですが、いかがでしたか? 早川:事前に説明を聞いていましたが、どんなイベントになるのかは想像がつきませんでした。実際に参加してみると、近いけれど遠いクリエイティブの人たちの話が聞けてすごく刺激になりました。普段は映画関係しか接点がないので、今回のような漫画やアニメーション、フードや工芸など、新しい発想に触れることができて、感性を生むツボをいろいろ押してもらった感じです。 Q:THU JAPAN 2023の取り組みや、「ストーリーテリング」のリトリートについてはいかがでしたか。 早川:最初にTHUについて聞いた時は、アニメーションやCGのクリエイターの参加が多いとのことだったので、私はちょっと畑違いかなと思っていました。ただ、テーマが「ストーリーテリング」なのであれば、私でも何か出来るのではないかと。お話をいただいたのがこのテーマの回で良かったですね。 レクチャーで話すことは難しいですが、ワークショップのように観客を巻き込んでやることであれば出来るかもしれない。それで、私が以前開催したワークショップの内容をスタッフの皆さんにお伝えしたところ、「それ、面白そうじゃないですか!」となった。それではやってみましょうかと。 Q:そのワークショップと今回のフォーマットは同じだったのでしょうか。 早川:そうですね。ただし、今回のようなパブリックの場でやるのは初めてだったので、実際にやってみないとうまくいくかは分からない。俳優さんの能力にもよりますし、今回は英語への通訳もあった。面白そうだけどちゃんと出来るかなと…。不安が大きくて、やってみるまでは半信半疑でしたね。 Q:俳優二人の寸劇を通して、観ている側から演じる側まで様々な物語が生まれているのが驚きでした。早川監督自身にも気づきや物語が誕生しているように見えました。 早川:まさにそうですね。それが発見できるのが毎回面白いんです。いつもそれを楽しんでいます。
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