どうしてこどもの日には粽(ちまき)を食べるの?歴史のはじまりを調べてみよう!
年中行事の時で出されるお菓子にはそれぞれ意味や願いが込められていることが多くあります。また、地域によって色・形・味などが異なることもあります。それを紐解く鍵は、歴史を知ること!今回はこどもの日に食べられるお菓子の歴史をみていきましょう! こんにちは。和菓子が大好きな、おみやげライターの嶋田コータローです。 みなさん、好きな和菓子はありますか?私は饅頭(まんじゅう)とおはぎが好きです。 和菓子は、日本に古くから伝わる色々な行事と関係のあるお菓子が多いです。 今回は、5月5日のこどもの日に食べる「ちまき」について紹介していきます。 こどもの日は、文字のとおり、こどもの誕生や成長を祝う日です。端午(たんご)の節句とも呼ばれていて、5月5日に祝います。その端午の節句に食べるのが「ちまき」なのです。 ◾️ちまきってどんな和菓子? ちまきは、もち米や葛粉(くずこ)で作った餅(もち)を、三角形や円錐形(えんすいけい)に整えて、笹の葉で包んだお菓子です。笹の葉の香りやもちもちした餅の食感、餅米特有の味わいが魅力的です。形はシンプルですが、笹の葉で包まれているので、自然の風合いを感じられるお菓子といえます。 じつは、ちまきは地域によって、名前や材料がさまざまです。例えば、山形県では「笹巻き(ささまき)」という名前です。また、新潟県では「三角ちまき」と呼ばれていて、餅にきなこをかけて食べます。さらに鹿児島県には、灰汁(あく)に浸した餅を竹皮で包んだ「あくまき」という、ちまきがあります。 みなさんの地域では、どんなちまきが食べられているでしょうか? ◾️ちまきは人の幸せを願って供えたのがはじまり 日本各地にいろいろ呼び名があるちまきには、どんな由来があるか知っていますか? ちまきのはじまりは、古代中国の故事に登場する、人を供養(くよう)するための食べ物です。供養とは、亡くなった人の幸せを願って、お供えしたりお祈りしたりすることです。 今から2000年以上前、中国の楚国に屈原(くつげん)という政治家がいました。ある年の5月5日、屈原は国のことを心から思い悩み、ついに川に身を投げてしまいました。人々は屈原をしのんで、オウチの葉で米を包み川に投げ込んで供養したのです。 これが5月5日にちまきを食べることのはじまりで、その後、日本に端午の節句の風習とともに伝えられたといわれています。平安時代の辞書にも、端午の節句に「ちまき」を準備したという記録があるんです。 現在では、人を供養するための食べ物から意味が変わり、病気を避けるため、またこどもが元気で健やかに成長することを願って食べられています。 5月5日のこどもの日に食べる「ちまき」。みなさんの住んでいる地域にどんなちまきがあるのか、ぜひ和菓子屋さんで探してみてはいかがでしょうか。ちまきを手にする時は、ぜひ自分自身と自分の家族、また友達の幸せを願って食べてくださいね。 【参考文献】事典 和菓子の世界(中山圭子 著)/美しい和菓子の図鑑(青木直己 監修)/和菓子の歴史(青木直己 著)/笹巻き・三角ちまき・あくまき(農林水産省HP)
嶋田コータロー