<最高の花道へ―センバツ’22・東洋大姫路>支える人たち 元投手コーチ 近藤良三さん(82)=姫路市 /兵庫
◇特徴、見抜いて伸ばす 試合まで、まだまだ成長 1985年から約10年間、投手コーチを務めた。現在もグラウンドの脇からブルペンの投手たちにアドバイスを送り続けている。「野球が好きで、やっぱり気になるね」と練習を見守る。 加古川東高の投手時代は、本格派右腕として春の県大会で完全試合を達成するなど活躍した。卒業後は山陽特殊製鋼の野球部に所属し、後に東洋大姫路の初代監督となる梅谷馨さん(故人)と共にプレー。その後、自営業を営んでいたが、監督に就いた梅谷さんから「手伝ってくれ」と誘われ投手コーチに就任した。 練習では、毎日午後4時に職場を離れてグラウンドに通い、直しにくい投手の投球やフォームの癖を修正するため細かく確認。また、選手それぞれの特徴を伸ばす指導を心がけた。元は外野手で強肩だった嶋尾康史投手(元阪神)を長谷川滋利投手(元エンゼルス)と並ぶチームの2本柱に育て上げ、86年夏の甲子園ではベスト8まで勝ち進んだ。 現在、アドバイスを続けているエースの森健人投手(2年)について「力のある速球を相手打者のインコースに投げ込む制球力がある」と評価。「今でも甲子園で通用するが、試合までにまだまだレベルアップできる」と期待を込める。さらに「野球だけでなく、選手の人間性も育ててくれた藤田明彦監督のためにも、選手たちは悔いのないように頑張って、監督最後の甲子園で一花咲かせてあげてほしい」とエールを送る。【後藤奈緒】 〔神戸版〕