地道に約3億円を貯めた団塊世代夫婦、快適なリタイア生活の秘訣をアドバイス(海外)
退職後の投資方法
退職に近づいても、大きな出費を避け、倹約生活を維持した。 リチャードは62歳でリタイアした。「一生働くことから解放され」、十分な貯蓄を手にしたことがわかったからだ。退職後の生活を公的年金だけに依存したくはなかったので、年金の受給を65歳まで遅らせた。妻は2013年にリタイアした。現在、夫婦の資産は合計200万ドル(約3億円)で、内訳は投資と住宅で半々だ。 夫婦は毎月3500ドル(約54万円)ほどの公的年金と、配当金で悠々自適の生活を送っており、年間2万5000ドル(約380万円)ほど投資を行い、毎年12万ドル(約1860万円)の配当金を受け取っている。また、長期医療保険にも加入しており、資産の多くを医療費のために残しているという。 リチャードは自分の投資戦略は「やや変則的」と称する。夫婦は配当利回りが一貫して10%ほどの投資信託に主に投資をしているからだ。自分たちの年齢では、個別株投資は避けたいという。 「市場価格は変動することがあるが、収益率を重視し続けており、それが大きく変わらないことを望んでいる。いまのところこの戦略はうまくいっており、投資信託を売らなくても安定した収益を得ていることに満足している」という。 いまも自分たちの資産内で生活しているが、時に海外旅行に出かける。エコノミークラスの航空券で、高いレストランを避け、絶対にツアーには行かず、エアビーアンドビーで民泊する。 「五つ星ホテルには泊まったことがないし、ほぼ常に中古車を買っている。毎日テイクアウトを頼むことはせず、週に1度レストランに行くか行かないかだ。そうすれば、数万ドル(数百万円)を貯蓄できる」 退職してから、リチャードは故郷やアメリカの歴史、ハイキングについて70以上の書籍を執筆している。また、地元団体の道案内としてボランティアのツアーガイドを務めている。 「リタイアには完全に満足している。リタイアはまさに自由な第二の幼少期を過ごすようなものだ。自分が楽しみ続けることが仕事なのだから」 ※本記事は取材対象者の知識と経験に基づいて投資の選定ポイントをまとめたものですが、事例として取り上げたいかなる金融商品の売買をも勧めるものではありません。本記事に記載した情報や意見によって読者に発生した損害や損失については、筆者、発行媒体は一切責任を負いません。投資における最終決定はご自身の判断で行ってください。
Noah Sheidlower