将来的には社会課題やカーボンニュートラルに貢献 ヤマハが開発する二輪車安定化支援システム「AMSAS」の現状とは
社会課題やカーボンニュートラルに貢献
ヤマハは、「人とくるまのテクノロジー展 2024 YOKOHAMA」で開発中の「AMSAS」(アムサス:Advanced Motorcycle Stability Assist System)を搭載した電動スクーターのコンセプトモデル「ELOVE(イーラブ)」を出展しました。 【画像】ヤマハが開発する二輪車安定化支援システム「AMSAS」搭載スクーター「ELOVE(イーラブ)」を画像で見る(7枚)
ヤマハが開発するAMSASは、ヒト型自律ライディングロボット「MOTOBOT」や「MOTOROiD」で培った制御技術をもとに開発された駆動力と操舵力の制御を用いて、低速走行時に車両の姿勢を安定化させる技術です。 2022年に公開されたスポーツバイク型の車両では前輪に駆動アクチュエーターと、ステアリングのトップブリッジ下部には操舵アクチュエーターを搭載するやや大掛かりなものでしたが、最新のAMSAS搭載車となるELOVEでは市販されている電動スクーターのようなスマートな構成とされています。
AMSASの開発に携わるヤマハの技術・研究本部開発統括部 西 拓真さんは、同研究について次のように話します。 「バイクは5~6kkm/hを下回るとセルフステア(バイクが旋回する時、勝手にハンドルが切れる二輪車の基本特性)が効きづらくなってくるので、それを増強してあげるのがAMSASの一つの特徴です。 また、弊社が開発したMOTOROiDがバッテリーやリヤアームなどの重りを左右に振って自立するのに対して、AMSASでは車体を振ることで自立しています。 多少の前後移動を使って車体を振ってあげる、トライアルの練習で見るスタンディングに近いようなイメージと伝えればいいですかね。
AMSASを開発する際は、まずはマシン単体で走行を行い、次にライダーに乗った状態で操作が制御に干渉した時に違和感のないように作り込んでいきます。 市販化はしたいと思っていますが、課題はまだまだありますね。ただしパッケージングとしてはよく出来ていると思いますし、ELOVEに関してはパッと見た感じ普通の電動バイクのような見ためて装置を収められていますので、皆様からも高い評価をえています。
将来的には、老人の方や免許返納された方が車を使うほどの距離ではない際のお出かけなどに活用していただければ、社会課題であったりカーボンニュートラルに貢献できるのではないかなと考えています」。 ※ ※ ※ 電動モデル以外にも内燃機搭載車両への搭載も可能というAMSASだけに、市販車へのフィードバックにも期待がかかります。
バイクのニュース編集部