マレーシア機不明で注目 穴だらけの盗難パスポート対策
犯罪に多用される盗難パスポート
盗まれたパスポートが悪用されるケースは少なくなく、国境を越えた人身売買や密輸などで使用されるケースが後を絶ちません。また、テロリストにとっても盗難パスポートは標的に近づくための有効な道具となります。1993年にニューヨークで発生した世界貿易センタービル爆破事件では、首謀者のクウェート人が盗品に手を加えた偽装パスポートでアメリカに入国しています。2003年にはセルビアの元首相が暗殺される事件が発生しましたが、犯行グループのリーダーであったセルビア人は盗んだクロアチアのパスポートで各国に出入国を繰り返していました。 パスポート情報のデータベース化は進んでいるものの、各国の空港で対応が異なるため、盗難パスポートの使用をなくすにはまだまだ時間を要します。 (文 / ジャーナリスト・仲野博文)