吉野家「ダチョウ丼」を実食した!1683円の価値はある?牛丼並盛1杯498円の3倍以上
ダチョウを新規事業の柱にする──。牛丼チェーン「吉野家」の新たな試みに注目が集まっている。 最大手「すき家」が7%上乗せ開始…「牛丼チェーン」の深夜料金は定番化の兆し 吉野家は28日から数量限定で、国産ダチョウ肉を使った「オーストリッチ丼」の販売を開始。カフェのような「クッキング&コンフォート」スタイルの全国約400店舗で提供している。「オーストリッチ」はダチョウの英名だ。 気になる価格は、ダチョウのガラを炊いたスープ付きで1683円。牛丼(並盛)が1杯498円だから、3倍以上のお値段だ。 問題の味はどうか。日刊ゲンダイでは記者が早速、都内の店舗に足を運び食べてみた。 ダチョウ丼は「ローストビーフ風」と銘打たれている通り、見た目はローストビーフそのもの。鳥には珍しい赤身肉が特徴で、さすが最高時速80キロで疾走するだけある。 まずは肉だけをパクリ。高タンパク低脂肪をうたっているだけあって、牛肉よりもサッパリしていて、トロッとした甘めの醤油たれとの相性がいい。一応、吉野家の公式ホームページには「山わさびの醤油たれ」とあるが、山わさび感はあまりピンとこない。赤身にしては軟らかく、臭みもクセもなくて食べやすい。 卵を落とし、酸味を抑えたマヨネーズのような「サワークリームのホワイトソース」を絡ませながらご飯と一緒に食べると、口に広がるのは肉のうまみとタレの甘みとソース・卵のコクのハーモニー。 ただ、肉自体にクセがない代わりに、味が限りなくローストビーフに近い。正直、ローストビーフとして提供されても分からないレベルだ。 ■記者が店舗での注文「第1号」だった 普通にうまいけれども、果たして1600円出して食べる人がどれだけいるか。 「限りなくビーフに近いダチョウ」に混乱した日刊ゲンダイ記者は、牛皿(並盛)を追加注文。お馴染みの味に安堵しつつ、「ダチョウ丼よりも牛丼3杯食う方がいいかなあ……」と思ってしまった。ちなみに、ダチョウスープは鳥皮を凝縮したような香りを生かしたシンプルな塩味で、ダチョウらしさ(?)を味わえた。 帰り際、店員に「ダチョウ丼、出てますか?」と尋ねると、「いや全然ですね」と苦笑。「午前11時から提供を始めて、お客さんが『第1号』ですよ」と教えてくれた。ダチョウ丼を食べたのは午後5時ごろだったから、実に約6時間も注文されていなかったことになる。 牛の4分の1程度の飼料で育つダチョウは効率の良さから、牛・豚・鶏に続く“第4の肉”として期待されているという。価格を抑えられれば手を出しやすくなるが、それまでは首を長くして待つしかなさそうだ。ダチョウだけに。