狙うはコストコ?静岡・難波市長「ショッピングモールは作らない。制限したい」 東名・スマートIC周辺の整備めぐり
静岡市は6年前に供用が始まった東名高速・日本平久能山スマートIC周辺の整備をめぐり、市独自の出店規制条例を緩和する考えを示している。ただ、難波喬司 市長によれば「ショッピングモールは作らない」という。 【画像】東名・スマートIC周辺の整備が向かう先は…
静岡市に存在する“独自”の条例
静岡市には2013年に施行された「静岡市良好な商業環境の形成に関する条例」なる条例が存在する。 これは事実上、郊外への大型商業施設の出店を規制するもので、条例の目的は「市民の意見を反映する機会を設けるとともに、良好な商業環境の形成に資するよう誘導する手続きを定めることにより、市民にとって安心して豊かな生活を送ることができる、市が目指すまちの姿にふさわしい良好な商業環境の形成を図り、もって市民生活の向上及び地域社会の持続的発展に寄与すること」とされている。 この条例では、売り場面積が1000平方メートルを超える商業施設の建設を計画する事業者に出店の構想段階から届け出の提出を義務化。 これに対し、市民は事業者に意見を提出することができるほか、市も指針に基づき指導や助言を行う。 また、事業者は出店構想を周知するための説明会を開催しなければならず、市民から寄せられた意見書に関しては見解書を市長宛に提出する必要がある。 さらに、市内が5つの区分にゾーニングされ、それぞれ売り場面積の上限を設定。 上限値は最大でも8000平方メートルとなっていて、これが郊外型大型商業施設の“出店規制条例”と言われるゆえんだ。 罰則規定はないものの、出店構想が“明らかに”指針に適合しないと判断された場合、市長は事業者に必要な措置を講じるよう勧告することができ、勧告にも従わない時には「その旨を公表することができる」と定められている。
条例には当時から疑問・反発の声も
このため、11年前に市が条例案を市議会に提出する前には、市内にスーパーを出店していた事業者10社が「自由競争が阻害され、商業が衰退していく」と猛反発。 加えて、条例案が審議された市議会・経済消防委員会(当時)でも、委員から「この条例が出来て、清水地域が活性化されると思っているのか」「“良好な商業環境”というのはどういうものなのか、市がしっかりと示さなければいけない」などと効果を疑問視する声があがり、本会議での採決にあたっても議員から「市民が安心して買い物できる環境づくりに努め、出店規制の範囲や制限については適宜見直してほしい」という意見が出されたが、最終的には全会一致で可決され現在に至る。