横手の雪まつり舞台裏 100基を作り上げる“チームかまくら”男たちの職人技
みちのくの五大雪まつりの一つ、秋田県横手市の「横手かまくら」。その歴史はおよそ450年。毎年、小正月の2月15日、16日に行われている。 雪まつりの期間中、市内には約100基のかまくらが製作される。そのほとんどをこの「かまくら職人」と言われる人たちが手がける。下は38歳から上は77歳までの20人の職人が、4人一組になり1基のかまくらを仕上げる。まず、雪を集めてかたまりを作り、2~3日間おいて固める。中をくり抜き、神棚を作って完成となるのだが、かなりの重労働だ。「ベテランになると巻尺などを使わず、正確に中心を見極め、壁の厚さが均等になるように掘り出すよ」とかまくら職人の一人、佐々木幹雄さんは教えてくれた。一人前になるには5年はかかるそうだ。このかまくら職人の人たちは、北海道、東京、大阪など全国からかまくらの製作に呼ばれるそうだ。
豪雪地帯では雪は”やっかいもの”という意識が強い。ましてこの重労働だ。でも、横手に来る観光客の人や全国から依頼されて製作したかまくらに喜ぶ子供たちを目にすると、そんな苦労は吹き飛んでしまうそうだ。暖冬の影響か都市部では雪が確保できず、氷を削り人工の雪でかまくらを作ることもあるという。ちょっと情緒に物足りなさを感じる気もするが、「不純物のないかき氷から作り出したかまくらの内壁は、天気がいいと薄いブルーに輝き、それは綺麗なんだよ」と職人ならではのエピソードを語ってくれた。 (2017年2月撮影)