弁天ランド×かりんちょ落書き×SPRINGMAN 表現力の高いアーティストが揃った『Grasshopper vol.24』ライブレポート
7月屈指の猛暑日となった7月22日(月)、東京・下北沢Flowers Loftにて『Grasshopper vol.24』が開催された。出演アーティストは弁天ランド、かりんちょ落書き、SPRINGMANの3組。観客の心を揺さぶったスリーマンの様子をレポートしていく。 【全ての写真】弁天ランド×かりんちょ落書き×SPRINGMANが出演した『Grasshopper vol.24』(全14枚) トップバッターは弁天ランド。老若男女全年齢対象令和歌謡ロックバンドを謳い、『SUMMER SONIC 2024』に出演が決定した今乗りに乗っているアーティストだ。 ライブ開演時間になるとSEであるロイ・オービソンの「Oh, Pretty Woman」が流れ、陽気な雰囲気の中、弁天ランドのメンバーが順に入場。サトウケイ(g/vo)が観客に手を上げ「よっ!」と口を動かす。メンバーが定位置に着き、カウントが刻まれる。口笛を想起させるイントロがショーの始まりを感じさせる「ごめんね」で、公演は幕を開けた。<心配ばっかりかけてごめんね 悲しい心にさせてごめんね 涙を拭いてあげれずごめんね 謝るばっかでごめんね なんとなくだけど伝わるだろか 今まで出会えた全ての人々と『あなたたちにっ!』>本来の歌詞に付け加える形でフロアへ向けてメッセージを届けるサトウ。観客の温度がグッと高まる。 1曲目が終わると間髪入れずに「ゼンボーイゼンガールズ」が始まる。<君に言えないことばっかだよ 君に言えないことばっかだよ>サトウとマエダユカイ(g/cho)の勢いのある歌唱が心に訴えてくる。ふたりは何かに怒っているような、何かに嘆いているような表情だ。 「みなさんお待たせしました! 我々が弁天ランドですよろしく~!」アップテンポなドラムから流れるように、歌謡感溢れる「白朝夢」へ。観客もゆるやかに揺れていたのが印象的だ。 マエダ「みなさんこんばんは! 弁天ランドです! ご来場ありがとうございます」 サトウ「こんなに多くのご来場ありがとうございます。僕たち弁天ランドは初めてFlowers Loftに出させていただいて。若手を代表してやっていきましょう! みなさんが応援しないと若手は育たない!」 マエダ「いつもありがとうございます。これが総意ですね」 サトウとマエダの掛け合いのあるMCに観客から歓声が上がる。 サトウ「なので、応援したくなるような演奏をします!愛のある場所、それがライブハウス! それがロックバンド!」 そう宣言し始まった「rove song」、シラクマタイセイ(ds)が身体を上下に弾ませながらテンポ良く演奏する。<あなたに恋をしている あなたに何度でも恋する>観客と目線を合わせ、口角を上げるサトウ。 「Sunday Girl」では、これでもかとオレンジ色の照明が夕焼けのような空間を作り出し、フロアも横揺れする。間奏の歪んだギターがより刹那を掻き立て、その情緒的な光景に、チャーリー(b)がフロア全体をじっくり見渡す。 歌い終えるとサトウが「盛り上げていきましょう! Grasshopperと日本の音楽業界! 好きという力が人の力になっているわけですから。相乗効果。笑顔の観覧車でやっていきましょう!」と宣言。 「春をかぐ街で」では、「こんな暑い日でも春の事を思い出して」というサトウの言葉通り、別れの季節でもある春の懐かしい記憶が蘇えり、心の内が温かくなる。 心地よいメロディの「レモンサワー」、フロアが心地よく揺れていた。アルコールを飲みながら音楽に身を委ねたくなる楽曲だ。 「残り1曲で弁天ランドはおしまいです。目指すは宇宙ワンマンです」 のびのびとしたフェイクから「記憶に溶けて」、<愛はとうに低下 狂おしさを返して 狂おしさを返して 夢で見て 思わず 記憶に溶けて>の間奏で「神様なんていませんっ!」と述べるサトウ。フロアは思わず聴き入っていた。 音源よりも何万倍もパワフルさ溢れる演奏で、観客を音楽で溶かしていった弁天ランド。まるで彼らは「太陽」という言葉が似合う、ヒーローのようだった。
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