相続放棄したのに請求がきた! 債権者による取り立てへの対処法
5. 相続放棄が正しく行われたか確認する方法
続放棄が行われると、相続放棄した相続人は、法律上、初めから相続人ではなかったものとみなされるので、次順位の相続人が、法定相続人としての地位を取得することになります。 例えば、亡くなった人に子どもがいる場合、子どもが相続放棄をすると、亡くなった人の親が法的相続人になり、親も相続放棄をすると、亡くなった人の兄弟が法定相続人になります。 次順位の相続人が先順位の相続人と連絡が取れない状態にあるような場合、相続放棄の手続きが行われているかどうか分からないという状況になる可能性もあります。このような場合には、第二順位以降の相続人は、相続放棄の申述が行われているかどうかについて、亡くなった人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に照会することによって確認することができます。
6.相続放棄後の請求でよくある質問
Q. 相続放棄されると債権者は泣き寝入り? 相続放棄が有効な場合には、債権者は相続放棄をした相続人に対して、請求を行うことができません。ただし、その場合には、次順位の相続人が法定相続人になるため、次順位の相続人に対して、被相続人の借金の返済を請求することができます。 Q. 遺産の一部を相続したら返済の義務はどうなる? 遺産分割協議を行って、遺産の一部を相続するなど相続人が相続放棄を行わなかった場合には、亡くなった人の債務についても返済義務を負うことになります。その場合、借金のような債務については、法定相続割合に応じて、各相続人に分割されます。 例えば、相続人が2人いて、そのうちの1人が、亡くなった人の財産も債務も全て相続するというような遺産分割の合意を行ったとしても、債権者に対しては、それぞれが法定相続割合に応じて借金の返済義務を負うことになります。 Q. 返済してしまったお金は相続放棄後に返してもらえる? 相続放棄をした後に、債権者に支払ってしまったお金は原則、返してもらうことは難しいでしょう。民法では第三者弁済として、債務の弁済を債務者以外の第三者が行うことも認められているからです。 ただし、例えば、その弁済が他の相続人の意思に反しているような場合で、かつそれを債権者も知っているような場合など、第三者弁済が無効となる場合には、支払ったお金を返してもらえる可能性があります。また、債権者に騙されたり、暴行や脅迫によって支払を強制されたりした場合には、弁済を取り消して返金を請求することが可能です。