貯蓄と退職金が「2000万円」あっても70代で「破産」する!? 60歳で定年退職する前に、現役時代から注意すべきポイントを解説
改善ケースの金額から筆者作成 65歳から年金受給するケース2では、およそ85歳まで貯蓄残高が残るほどに、資産状況が改善されています。年金受給開始を3年繰り下げたケース1は、64~67歳の3年間は大きく貯蓄を取り崩しますが、それ以降は収入と支出がほぼ同じ金額になるので、貯蓄の取り崩しがなくなります。 そのため、100歳まで生きても貯蓄残高が底をつかないと計算されます。年金の繰下げ受給の効果が大きいことが分かる結果ではないでしょうか。
まとめ
人生100年時代において長生きした場合に備えて、支出よりも収入が多い状態にして貯蓄の取り崩しをなるべく防ぐのが望ましいです。それが難しい場合は、貯蓄がゼロになる年齢が100歳よりも先になるように設定すると比較的安心できるのではないでしょうか。 将来に備える方法はいくつもありますが、やはり生涯保障されている年金をベースに考えるのが安心かつ簡単な方法と言えます。その点、年金の繰下げ受給で受給額を増やす方法が効率的です。そのために現役時代から検討しておきたいポイントは以下の3つです。 ・支出を把握して無駄な出費を減らすこと ・長く働いて収入を増やすこと ・毎月の収入と支出、資産状況から何歳まで貯蓄が残るか予想しておくこと 人によっては資産運用などで貯蓄を増やすなどの方法も有効です。また、高齢になると医療費や施設の入居など今までとは違う出費がかかる可能性もあります。ライフプランを自分で検討するのは難しいという人は専門家に相談するのもおすすめです。 出典 総務省統計局 家計調査年報(家計収支編)2022年(令和4年) 日本年金機構 年金の繰上げ受給 日本年金機構 年金の繰下げ受給 執筆者:御手洗康之 CFP
ファイナンシャルフィールド編集部