なぜ既婚男性は結婚を「墓場」と呼び、家に帰りたがらない? 女性に偏る家事負担、不満たまり、すき間風…居心地よさ上げる「パラレル家事」のススメ
■「かお」 「家事シェア」研究家として普及に取り組む三木智有(みき・ともあり)さん 「自分の時間がほしい」と言うと「俺と同じぐらい稼げ」 そんな夫の子育ては、休日に「子どもと昼寝する」だけ
家事を分担し良好な夫婦関係を育む「家事シェア」の研究家として、全国で普及に取り組む。鹿児島市で11月に講演し「家族になって良かったと思える関係づくりが大切」と訴えた。 「結婚は人生の墓場」「家に帰りたくない」。インテリアコーディネーターとして居心地の良い家の空間づくりを目指していた15年ほど前、周囲にはそう嘆く既婚男性が多かった。居心地が悪いのはなぜか、関心を持ったのが始まりだった。 既婚男女100人に話を聞き、家庭内のイライラには家事自体に対する負担感とパートナーへの不満感という二つの側面があることが見えてきた。家事・育児を分担する重要さを痛感。妻からも「家事が好きではない」と打ち明けられ、家事シェア研究を本格的に始めた。妻が皿洗いをする間、夫が洗濯物をたたむなど夫婦で同時に取り組む「パラレル家事」を考案した。 自身も実家との連絡を妻任せにするなど、性別でやるべきことを無意識に分けていた時もあった。「役割の偏りについて妻が相談してくれたからこそ、気づけた。慣習にとらわれず、家庭ごとに納得できる形を見つけるのが大事」と力を込める。
「家事を分け合うのは当たり前になってきたが、まだまだ女性に負担が偏っている」と課題を挙げる。負担のギャップを埋めることが今後の目標だ。 鳥取県出身。東京都に妻と娘と暮らす。散歩が好きで100キロウオークに年3回参加する。「怪談を聞きながら歩くのが楽しい」と話す44歳。
南日本新聞 | 鹿児島