大谷翔平、「ブラピ」も「マジック」も釘付けの衝撃アーチ…劣勢を一振りで変えた「メガスター」
◇5日(日本時間6日) ナ・リーグ 地区シリーズ第1戦 ドジャース7―5パドレス(ロサンゼルス) ◆大谷翔平、気合満点のバット投げ…同点3ランに絶叫【動画】 ドジャー・スタジアムにはハリウッドスターのブラッド・ピットがいた。レイカーズの黄金期を築いたマジック・ジョンソンがいた。そんな名だたるスターを釘付けにしたのは、ロバーツ監督が「メガスター」と語る大谷翔平だった。一振りで劣勢の展開を変え、スタジアムを熱狂の渦に巻き込んだ。主砲のマンシーは「稲妻のような衝撃が走った」と表現した。 切望していたポストシーズンに7年目でようやく辿り着いた。喜び、興奮は表情で分かる。だが、重圧や過度の緊張もなければ、力みもない。打席では泰然自若となれる。これが大谷翔平の凄さだ。 3点を追う2回2死一、二塁。パドレスの好投手シースの高めの約156キロ速球に鋭く反応した。相手が空振りを誘った球を、ものの見事に捉えた。スタジアムの雰囲気は一瞬で変わった。「今年のドジャースには大谷翔平がいる」。ファンも、選手も、監督も全員が感じた。主役はバットを両手で放り投げて、絶叫。感情を爆発させ、またも名シーンは生まれた。 大谷は試合後、打席での心境について聞かれ「いま1球、1球を振り返れと言われても難しいぐらい1打席、1打席に集中できていた。自分でも分からない。打席に行けば集中する、勝手に打つためだけに集中する」。白球しか目に入らない。9月の「50-50」を達成した時からずっとこの状態。無の境地で極限まで集中力は高まる。 この一発で仲間に勇気を与え、「プレーオフで打てないドジャース」という呪縛を解き放った。2点を追う4回2死一、二塁からは、大谷がバットが折れながらも中前打で続き、その後、暴投で1点を返すと、T・ヘルナンデスの2点適時打で逆転した。 試合後は大谷らしい言葉を残した。「終始ただただ、楽しいゲームだった」。ロバーツ監督はまず先勝した原動力に大谷の名前を挙げ、絶賛した。「翔平のような選手はチームを引っ張っていく能力がある。他の選手にプレッシャーを和らげる何かがある。球団を背負うスーパースターがいることは、何かしらの意味がある」。10月に極上のショータイムが始まる。そう感じさせるポストシーズン開幕だった。
中日スポーツ