私ってうつなの?「今すぐ“メンタル系の医療機関”に行くべき」2つの症状
成人の20人にひとりが「うつ」に
2023年11月に出版された『誰でもみんなうつになる』(ハラユキ著 / KADOKAWA)のタイトルは、世界の成人の約5%、約2億8000万人がうつ病を患っている現状をよく物語っている。 日本でも2017年は7.9%だったうつ病・うつ状態の割合が、2020年の新型コロナウイルス流行直後には17.3%と倍増している。 【漫画を読む】「これはうつ?」”メンタル系の医療機関”に行くべき2つのポイント 本書は、2022年の秋頃からだるさが続き、やる気が持てなくなった著者のハラユキさんがうつ病になり、自身と徹底的に向き合い、うつ病について調べ尽くして、回復するまでを描いたコミックエッセイである。 専門医から軽度のうつ病と診断された時、大ざっぱ、のーてんき、ポジティブを自称するハラユキさん自身、また周囲も「意外!!」だったという。 だが、本書を読めば、意外でもレアケースでもないことがわかる。 タイトル通り、うつは誰がなってもおかしくないからだ。 前編「几帳面でも神経質でもない自分がなぜ…うつと診断されるまでに感じた違和感」では、まだ自分がうつ病であることに気づいていないハラユキさんが、やる気が全く出ず、自分の意思とは関係なく涙が溢れる状態に、「私どっかおかしいよね」「疲れがたまってる?」「でももっともっと疲れたときこんなことなかった…」と混乱している姿をお伝えしている。
医療機関に抵抗を感じなかったワケは
中編ではお祓いに行っても、自分が恵まれていることを自認しても、気持ちが落ち込む一方のハラユキさんが、医療機関を受診する。 日本人は一般的にメンタル系の医療機関を受診することに抵抗があると言われるが、ハラユキさんにはなかった。 それはイラストレーターでコミックエッセイストとしてメンタルの問題に悩む人たちの取材をしてきた経験があるためだ。 人は「知らない」ことに恐怖心や不安感をもつものである。 だがこれまで「わからないこと」「知らないこと」から生じる問題と、真正面から対峙し、原因や解決策を探ってきたハラユキさんには、「うつ病」やメンタル問題を抱える人への偏見はゼロだった。