DeNA、漢気見せた山﨑康晃!スクランブルでのプロ初先発に三浦監督「“やります、行かせてください"と快く引き受けてくれて」と感謝
◆ 「ほんとよくやってくれた」 “ヤスアキジャンプ"がまだ明るい横浜スタジアムに巻き起こった。先発予告されていた平良拳太郎が腰の違和感で登板回避となり、公式戦ではプロ初となるまっさらなマウンドに上がった山﨑康晃。 異様な空気の中、先頭の丸佳浩、2番の吉川尚輝をともに内野ゴロで料理し、エリエ・ヘルナンデスには死球を与えたものの、4番の岡本和真をセンターフライに打ち取り3つのアウトを奪った。2回は1死後、新外国人のココ・モンテスに3塁線を破られる二塁打から、岸田行倫のセカンドゴロで2死三塁と場面は変わり、8番の泉口友汰にライト前ヒットを許し1失点。続くピッチャーの井上温大はショートゴロに打ち取り、2回を投げ切ってお役御免となった。 数々の修羅場をくぐり抜けてきた男は、いつもと変わらずストレートとツーシームの2球種で勝負。灼熱の緊急登板で32球の熱投にも「本当にチームのためにと思い準備しました。初めての先発ということで対応するにも時間がかかり改めて先発の難しさを痛感しました。そのなかでも変わらずみんなが声をかけてくれて周りに助けられました。もっと良い結果を残せたと思いますし、悔しい気持ちでいっぱいです」と感謝の気持ちと同時に、悔しさも滲ませた。 試合後三浦監督は平良の異変は「練習中に起きた」と明かし「急遽色々話しながら、ヤスにもお願いしたら『やります、行かせてください』と快く引き受けてくれて」と舞台裏も説明。また「他の選択肢も色々考えた中で、慣れないことですけども、勢いをつけるっていう意味でも、立ち上がりは当たり前のことですけど上位から回っていく中なので」と山﨑康晃にオープナーを任せた意義を説いた。 「準備の仕方も全然違うところでの、初先発。そうところでも、いい感じでマウンド上がってくれました」とし「打席が回ってまで、うまくいけば2イニングっていうところでの2回、しっかりと球数も投げた中でね、ほんとよくやってくれたと思います」と最敬礼した。 この日は敗戦を喫してしまったが、チームを愛する“小さな大魔神"の漢気はこの先に活きてくると信じたい。 取材・文・写真 / 萩原孝弘
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