中国「秘密警察署」、NY在住の被告が罪認める
Luc Cohen [ニューヨーク 18日 ロイター] - 米ニューヨーク市マンハッタンのチャイナタウンで中国の「秘密警察署」を運営し、中国政府による反体制派の摘発を手助けしていたとして起訴されたニューヨーク在住の陳金平被告(61)は18日、ブルックリンの連邦地裁での罪状認否で、「外国代理人」として登録せずに活動した共謀罪を認めた。 最長で5年の禁錮刑を言い渡される可能性がある。 陳被告は2022年9月に中国政府の代理で秘密警察署疑惑に関するオンライン記事を削除したことを認め、法律で義務付けられていた外国代理人としての司法省への登録を当時行っていなかったと述べた。 陳被告とともに23年4月に逮捕されたニューヨーク在住の盧建旺被告は無罪を主張している。 スペインの人権団体は22年、中国がニューヨークなどに在外拠点を設け、中国警察と違法に連携して逃亡者に中国への帰国を迫っていたとする報告書を作成。米司法省は、中国やイランなど敵対国が米在住の反体制派を脅迫するため「国境をまたぐ弾圧」を行っているとして捜査を強化している 検察によると、両被告は米国市民で、中国福建省の出身者に社交の場を提供する非営利団体を運営していた。活動場所では中国人の運転免許証更新の手伝いなども行われていたという。 検察は、盧被告が22年に中国政府からカリフォルニア州に住む民主化活動家とされる個人の居場所を特定するよう依頼されたと主張。18年には中国政府が逃亡者とみなす人物に帰国を説得したという。 中国外務省報道官は19日の定例会見で、この事件について「いわゆる秘密警察署は存在しない。(中国は)常に国際法を厳格に順守し、全ての国の司法主権を尊重している」と発言。事件の詳細は把握していないと述べた。