奨学金利用中の息子がローンでバイクを買ったようです。バイクは通学にも使っているようですが、問題になって「停止」されることはないでしょうか?
奨学金を利用している場合、車・バイクなどのローンを組んでも構わないのか疑問に感じる方もいるでしょう。すでにローンを組んでしまい、奨学金の支給が停止にならないか不安な方もいるのではないでしょうか。 そこで本記事では、奨学金を利用している方が新たにローンを組むことが可能かどうかや、ローンを組む際の注意点を紹介します。
奨学金を利用中でも新しくローンを組むことは可能
奨学金を利用している最中でも、新しくローンを組んで物品を購入することは可能です。例えば独立行政法人日本学生支援機構によると、給付奨学金の支給が停止になる主な要因について、学業成績・学修状況・生活状況などと明記しています。 一方、貸与奨学金が支給停止となる要因は、学業成績・経済状況などです。奨学金の給付・貸与期間中には毎年1回「奨学金継続願」を提出する必要があり、直近1年間の収入と支出の状況を届けなければなりません。 経済状況で届け出る支出には、学費・家賃・食費・その他(医療費・娯楽費など)があり、確認されるのは「修学継続のために引き続き奨学金の貸与が必要かどうか」「適切な貸与月額であるか」です。支出に対して収入が一定額を超えると、奨学金の辞退・減額の検討を求められることがあります。 バイクなどのローンの有無は届け出の項目にはなく、奨学金については修学継続に必要な金額を計画的に借り入れるように明記しています。したがって、バイクのローンを組んだとしても、奨学金の支給停止には至らないと考えてよいでしょう。
貸与型奨学金利用中に新しいローンを組む際の注意点
貸与型奨学金には返済義務があります。借りている金額によっては、月々数万円の返済が長期間続きます。そのような状態で新しいローンを組むのは一定のリスクがあるため、十分に検討することが大切です。ローンと奨学金の返済が滞ると信用情報に傷がつく恐れもあるでしょう。 本項では、奨学金の利用と並行して新しいローンを組む場合の注意点を紹介します。 ■奨学金と合算して返済できる額にローンをおさえる 貸与型奨学金を利用している状態でローンを新しく組む場合は、返済額に注意しましょう。例えば、奨学金の返済が月々3万円で、新たに月々5万円ずつ返済していくローンを組むと、月の返済金額は8万円になります。ローンの返済額は、生活費や固定費も計算して、アルバイトや仕送りなどの収入内に収まるようにおさえましょう。 ■維持費やメンテナンス費用も考えてローンを組む 車を購入した場合、維持費やメンテナンス費用が必要です。例えば、ガソリン代や税金、定期的な車検やメンテナンス、保険料です。維持費やメンテナンス費用にはまとまった金額がかかるので、その分が貯蓄できるように計算してローンを組みましょう。 ただし、ぎりぎりの返済金額だと、ささいなアクシデントで返済が滞る恐れがあるため、余裕を持った返済計画を立てるようにしましょう。 ■信用情報に傷がつかないように注意する 返済が滞ると、信用情報に傷がついてカードを強制解約させられたり、新しくローンが組めなくなったりします。10年以上の長期にわたってローンを組む場合、急な病気やけがで返済が滞る可能性もあるでしょう。 そのような場合は、奨学金の返済猶予や減額を利用できる可能性があります。信用情報が傷ついてしまうと回復に5年以上かかるため、返済が苦しくなったら早めに奨学金を借りている団体に相談しましょう。