富山県武道館、地下にも道場 完成予想図公表、整備費88億3000万円
富山県は19日、県総合運動公園(富山市南中田)に新たに整備する県武道館の基本設計の概要や完成予想図を公表した。ドーム状で約1500席の客席を備えた主道場を設ける。地下には武道場を造り、屋上部分は緑地化して芝生が広がる周辺になじむデザインとする。2025年度に着工し、27年度中の開館を目指す。整備費は約88億3千万円を見込む。 地下1階、地上1階の2階建てで、延べ床面積は約1万1200平方メートル。主道場は大規模な武道大会に加え、卓球やシッティングバレーボール、バドミントンなどでも使えるようにする。観客席には、周辺の広場のどこからでもアクセスできる。屋根はドーム状にし、隣接する屋内グラウンドと調和させる。 地下の武道場は約560席の客席を備え、日常の稽古や小・中規模の武道大会に利用できる仕様とする。研修室やシャワー室、キッズルームも完備し、県によると、公園の利用者が誰でも使えるよう検討しているという。
武道館は当初、富山駅東側(富山市千歳町)の民有地に建設予定だったが、資材価格高騰で建設費が約110億円に膨らむ見通しとなり、23年度に基本計画を見直した。県総合運動公園に場所を変更し、機能についてもコンサートなどの多目的施設としての役割を持たせず、武道館に特化した。 新田八朗知事が定例会見で説明した。機能を絞り込むことで整備費を88億3千万円程度に抑えたとし「武道競技を中心としつつ、幅広い県民のニーズに応えていきたい」と話した。畳などを備えていることで、避難所としての機能も果たせるとした。