全国高校駅伝 長崎県勢、女子・諫早が健闘11位! 男子・鎮西学院は粘走
男子第75回、女子第36回全国高校駅伝大会は22日、京都市のたけびしスタジアム京都(西京極陸上競技場)発着コース(男子7区間42・195キロ、女子5区間21・0975キロ)で行われ、長崎県勢は女子の諫早が1時間10分15秒で11位、男子の鎮西学院は2時間6分40秒で19位だった。両校ともに昨年から順位を上げた。 男女とも今年から都道府県代表47校に地区代表11校を加えた58校が出場。女子は長野東が1時間7分27秒で2年ぶり2度目、男子は佐久長聖(長野)が2時間1分33秒で2年連続4度目の優勝を飾った。 女子の諫早は1区髙瀬と2区森田が好走して3位でレースを折り返した。1年生の3区宮本で12位に下がったが、4区蔦野が一つ順位を上げ、アンカー糸瀬が11位を維持した。男子の鎮西学院は1区牟田颯の21位発進から3区山本までに16位へ浮上。以降は一時20位に後退しながらも、最後は7区牟田凜が19位でゴールした。 ◎諫早 3年生意地の力走、二枚看板3位でつなぐ 伝統のたすきを受け継いだ3年生が意地を見せた。諫早の1区髙瀬、2区森田の二枚看板が3位でつなぎ、最後はアンカー糸瀬が11位でフィニッシュ。羽山監督は「入賞はできなかったが、昨年(22位)から成長した姿を見せてくれた。前半はよく頑張ってくれた」と穏やかな表情で選手たちをたたえた。 「緊張はなかった。走れなかった3年生2人を表彰式に連れていく」。2年連続で1区を任されたエース髙瀬が、序盤から先頭集団でレースを進めた。「昨年は足が止まった」という残り1・5キロ付近からは、最後の気力を振り絞って前を追った。「1番でたすきを渡したかった」と悔やんだが、1位と16秒差の9位でたすきをつないだ。 主将の2区森田も積極的に前に出た。スタート直後に2人を抜くと、2キロ過ぎに仙台育英(宮城)、筑紫女学園(福岡)、銀河学院(広島)の先行集団を捉えた。そこからは3、4区で待つ後輩たちのために「少しでも前へ」。残り1キロ付近で集団から抜け出して、3位で第2中継所に飛び込んだ。 3年ぶりの入賞はならなかった。それでも、2度の日本一を含めて入賞14回を誇る伝統校は、再び全国上位で戦える姿を見せてくれた。森田の「アンカーを務めた昨年は悔しい気持ちでいっぱいだったけど、今年は悔いなく終われた」という言葉に実感がこもっていた。 ◎鎮西学院 「全員駅伝」で逆境打破 インフルエンザがまん延して、想定していたオーダーを組めなかった男子の鎮西学院。目標の県高校記録(2時間5分36秒)更新は達成できなかったが、2時間6分40秒の好タイムを出して19位でゴールした。入江監督は「この状況でみんなよく頑張った」と諦めずにたすきをつないだ選手たちをねぎらった。 大会前、エントリーしていた9人中5人が感染した。長距離区間を担う予定だった主力の牟田凜のほか、出走予定だったメンバーが次々に発症。牟田凜も大会4日前にようやく練習を再開できるなど、チームの雰囲気は最悪に近かった。 そんな状況だったが、チームは「目標は下げずにいこう」と思いを共有。まずは主将の1区牟田颯が仲間たちを勇気づけた。「1区次第で良くも悪くも流れが変わる。自分がいい流れに持っていく」。順位こそ21位だったが、エースが最長10キロ区間を30分0秒の好タイムで走り抜くと、2区内田も区間13位の力走。20位でたすきを受けた3区山本は16位まで順位を上げた。「全員駅伝」で1秒を削り出した。 ベストな状態で臨めなかったのは反省点だが、昨年の23位から順位を上げることはできた。19位という結果は、入江監督が指揮を執り始めた2005年以来、初の10位台だ。「1秒でも、一瞬でも、1センチでも速くゴールへ」。逆境の中、チームのスローガンを全員で体現したレースになった。