NASA探査機「ボイジャー1」、トラブルから復活へ - 科学データの送信も再開
さらに5月22日には、ボイジャー1の搭載機器のうち、プラズマ波サブシステムと磁力計機器から、科学データが届くようになった。 チームはまた、宇宙線サブシステムと低エネルギー荷電粒子計測装置についても、データ送信の再開に向けた作業を続けており、今後数週間以内に実施できる見込みだという。 チームでは、「これらの成果は、ボイジャー1を通常運用に戻すための大きな進歩を示すものです」としている。 ボイジャー1は、NASAが開発した惑星探査機で、1977年に打ち上げられ、木星や土星を通過して探査した。その後、2012年には太陽圏を脱出し、現在は星間空間を飛行している。姉妹機の「ボイジャー2」も1977年に打ち上げられ、木星と土星、天王星と海王星を通過して探査したあと、2018年から星間空間を飛行している。 運用チームによると、2機のボイジャーはそれぞれ、少なくとも1つ以上の科学機器を稼働させた状態で、2025年ごろまで運用し続けられると予想している。 もっとも、科学機器が止まったとしても、工学データはそのあとも数年間は送信され続ける可能性があるとしている。また、RTGの発電量にもよるものの、2機のボイジャーはともに、2036年ごろまで、NASAの深宇宙ネットワークを使って通信できる可能性があるとしている。 ■参考文献 ・Voyager 1 Resumes Sending Science Data from Two Instruments - Voyager ・NASA’s Voyager 1 Resumes Sending Engineering Updates to Earth ・Voyager - Mission Overview
鳥嶋真也