「まずは五輪切符」石川真佑、イタリアでの成長からパリへ 最終切符かけバレー女子ネーションズL
バレーボール女子のパリ五輪の出場権を懸けた最後の戦いとなるネーションズリーグ(NL)が始まる。6大会連続五輪へ、世界ランク9位の日本は、15日(日本時間16日)に1次リーグ(L)・トルコラウンド(R)初戦で同1位のトルコに挑む。イタリア1部でプレーするアウトサイドヒッター・石川真佑(24)=ノヴァーラ=が14日までにスポーツ報知の取材に応じ、夢舞台への覚悟を語った。この日は出場14選手が発表された。 パリ五輪へのラストチャンスとなるNLへ、石川はたくましい顔つきで覚悟を示した。女子は2004年アテネ五輪から6大会連続出場が懸かり、「まずは五輪切符をつかむことが私たちの目標。しっかり結果を出したい」と固く誓った。 イタリアで成長した姿を、日本代表で示す。プロ転向し、イタリア1部に移籍1シーズン目の23―24年は、フィレンツェで開幕戦から先発し、MVPを2度獲得。リーグ10位の計341得点を挙げ「初めてのシーズンで点数を多く取れたことは良かった」と手応えをつかんだ。14チーム中10位でプレーオフには進めなかったが、世界からトップ選手が集うリーグで高い得点力を発揮した。活躍が認められ、来季は同4位の強豪・ノヴァーラでプレーすることが決まった。 対応力 五輪で味わった悔しさは、五輪でしか晴らせない。初出場した21年東京大会では、1勝4敗で1次L敗退。「うまくなりたい」と視線は自然と世界に向き、海外挑戦を考える契機にもなった。22―23年季のVリーグで日本人シーズン最多得点(735点)を記録。だが、アタッカーでは高くはない身長174センチ。代表活動で感じる世界の「高さ」の壁にぶつかっていた。イタリアでは180~190センチの選手がそろう。「ブロックアウトを狙うにも、パワーだけでなく力を抜いて相手ブロックに当てたり。状況判断と攻撃の選択肢を増やすことを意識した」と課題の対応力で進化を求めた。 コート外でも学びの日々だった。日本では寮生活だったが、異国で人生初の独り暮らし。休日にスーパーで食材を買い込み、野菜を使った和食を作った。練習場へは自らハンドルを握り、車で通った。「いいパフォーマンスをするために、生活を作っていくことも大事だった」と充実の表情だった。 昨秋の五輪予選では途中出場が多く、チームも出場権はお預けとなり、悔しさが残った。石川はNLには心身ともに充実させて臨む。真鍋政義監督(60)は「精神的にタフになった」と明かし、古賀紗理那主将(27)に次ぐ主軸の一人として期待。まずは16日のトルコ戦へ「成長したプレーを出したい」。14日に24歳を迎えた得点源が、大一番で輝きを放つ。(宮下 京香) ◆石川 真佑(いしかわ・まゆ)2000年5月14日、愛知・岡崎市生まれ。24歳。小学3年からバレーを始め、長野・裾花中、東京・下北沢成徳高卒業後の19年に東レに加入し、同年に日本代表初選出。21年東京五輪代表。174センチのアウトサイドヒッター。
報知新聞社