「リミッターを超える境地にはもう行けないから」8・23後楽園で引退の中島安里紗
「全然最後という感じがしなくて、闘いに夢中になってる自分がいる」
残りわずかな時間で遺伝子を残していく。最後の試合は8・23後楽園。ここで中島は、2試合おこなう予定だ。 「『堀田祐美子&下田美馬組vs中島安里紗&光芽ミリア組』。AtoZに入ったとき、私が一番最初に教えてもらったのが堀田さんと下田さんでした。私は引退してしまうけど、この2人から受け継いだものをミリアにもしっかりと引き継いでほしい。そういう思いを込めた試合になると思います。2人への感謝はもちろんだけど、ミリアに託す思いの方が大きいかもしれない。ミリアってまだデビューしたばかりで、ちょっと無理かなとも思いました。でも、無理させないと育たないので。そういうのがいまの時代パワハラだとか言われるんでしょうね。まあ、そういうの言ってきたらウチは即クビですから(笑)。本人はたぶん怯えてるでしょうけど、あえて体感させようと思ってます。もうひとつは、『中島安里紗&藤本つかさ組vs松本浩代&中森華子組』。ベストフレンズvs同期タッグですね。アイスリボンって“プロレスでハッピー”の団体ですけど、私はつっかは異質だと思ってるんですね。ハッピーなプロレスも殺伐とした試合も両方できるタイプなんですよ。まあ、それって私と昼夜でシングルのダブルヘッダーやったからだと思うんですよね。あのときに覚醒して闘いの楽しさを知ってもらったと思う。私は私で、プロレスでハッピーに関しては誰にも負けてない。痛いを辛いと思ったことがない。人を殴ってお金もらえるなんてサイコーと思える自分ってサイコーじゃないですか(笑)。松本はライバルとしてずっと闘ってきたので、最後の試合には欠かせない相手です。大事なときってだいたいが松本とのシングルだったんですよね。中森とも同期だけど、以前は私の方が全然上だと思ってた。でも、JWPで同じ時代を過ごして、いまは別々でも同じ立場でがんばっている。嫌いだけど、逆に思い入れがあるんですよね(笑)」 両カードとも、ラストマッチとしてこれ以上ないほどの組み合わせだ。過去、現在、そして団体の未来も見据えたマッチメークで、中島は最後になにを伝えるのだろうか。 「う~ん、まだ実感がわかないんですよ。試合をしていると、これが最後になる相手が涙ぐんでたりするんだけど、全然最後という感じがしなくて、闘いに夢中になってる自分がいる。なので、最後の日は本当にこれが最後なんだという思いをしっかり持ってリングに上がらないと。でも、どうなんですかね? 最後の最後までボッコボコに殴り合うのが希望でもあるし。せめて最後の日までにはもう少し最後を感じられる自分になりたいんですけどね。引退後? 最後の試合が終わってから考えますよ(笑)」 インタビュアー:新井宏
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