円安が怖すぎて…日本から海外への留学生数がもはや「韓国のたった4分の1」に低落!絶望的に開いていく日韓の「能力格差」
いま、1960年代とあまり変わらない状態
いま、アメリカのアパートの家賃はどのくらいだろうか? ウエストウッド地区のStudio で検索してみると、2000ドル程度だ。当時の20倍になっている。1ドル=155円で換算すると、31万円だ。 一方、日本の公務員の給与は、当時の10倍程度だ。だから、円でいうと、ウエストウッドの家賃は、給与の約1.35倍だ。 上で述べた私の体験よりは若干改善されてはいるものの、大差はない。つまり、いまアメリカに留学すると、60年代に私が経験したようなみじめな生活を強いられることになる。 これを「購買力」という概念で述べれば、つぎのとおり。アメリカの物価・家賃が、当時と比べて20倍、日本の賃金が10倍になった。だから、購買力を当時と同じに保つには、1ドル=180円になればよい。実際には160円程度だから、現在の円の購買力は、1960年代末に比べて、1割程度は高い。 ただ、「1割程度しか高くなっていない」というほうが正確だ。また、ここでは家賃と公務員の給与という2つの価格だけを比較したのだが、もっと広汎な価格データを用いれば、結果は違うだろう。
日本の留学生数は2004年をピークに、その後は減少
日本人の海外留学生(主として、長期留学生)数は、1980年代には1万人台だった。1990年代に急増し、2004年に8万人を突破して、最高になった。しかし、その後、日本経済の衰退とともに減少し、2009年頃からは、5~6万人程度と、2004年頃の63~75%程度の水準にまで減少している(文部科学省「『外国人留学生在籍状況調査』及び『日本人の海外留学者数』等について」、2024年5月)。 これは、20歳台の人口が減ったためでもある。ただ、それだけでは説明できない。 2020年の人口ピラミッドを見ると、40歳台後半では1歳あたり人口(男女計)が160万人程度であるのに対して、20歳台後半では130万人程度と、8割程度に減少している。本文で述べたように、2004年ごろからコロナ直前までの期間の留学生数の減少率は、これよりかなり大きい。そして、コロナ禍で4万人台に減少した。2021年では41612人で、最も多かった時代の約半分になっている。円安が進むと、減少傾向に拍車がかかる可能性が強い。