髪を金色に染めて計量を一発クリアした日本スーパーフライ級王者・高山涼深（左）と挑戦者・青山功（カメラ・・谷口　隆俊）

◆プロボクシング　フェニックスバトル１２４＆ＤＡＮＧＡＮ２７０▽日本スーパーフライ級（５２・１キロ以下）タイトルマッチ１０回戦　王者・高山涼深―青山功（１２日、東京・後楽園ホール） 　日本スーパーフライ級タイトルマッチで３度目の防衛を目指す日本同級王者・高山涼深（すずみ、ワタナベ）が１１日、東京・文京区の日本ボクシングコミッションで前日計量に臨み、５２・１キロのリミットで一発クリアした。挑戦者の同級１２位・青山功（セレススポーツ）も２００グラムアンダーの５１・９キロでパスした。 　戦績は２８歳の高山が８戦全勝（７ＫＯ）、３５歳の青山が１４勝（４ＫＯ）１２敗１分け。 　計量後、取材に応じた高山は「コンディションはバッチリ。前回、体調を崩してしまったので、今回は体調面は日常的に気をつけて、前回みたいなことがないようにしました」と話した。 　今年４月、古谷昭男（六島）に３回ＴＫＯ勝ちした高山は７月に青山とのＶ３戦を予定したが、ウイルスによる急性胃腸炎と診断されたため、試合はキャンセルとなった。「こうして試合を組んでもらって感謝しています。青山選手にも今日直接会えたので、前回は体調不良だったことを伝えました」と高山。２週間は絶対安静となり、約１か月かけて体調を戻した。「２回目は許されないので、日頃の生活での食事面だったり、練習前後のケアをすごく意識しました」という。 　トレードマークだったドレッドヘアから金髪ショートに変えた高山は「イメチェンですよ」と笑ったが「体調を崩すとか思わなかったので。リセットというか再スタートというか…」と、気持ちを新たにタイトル戦に臨む決意を示した。東京・五反田のラーメン店「無冠」のオーナーをつとめているが、「仕事は（双子の）弟に任せて、試合の１か月半くらい前からボクシングに集中してきた」という。 　アマチュアでは３５勝（１０ＫＯ）１６敗。１９年２月のプロデビュー戦で３回ＫＯ勝ちすると、同年１０月の３戦目で日本ユース王座を獲得。６戦目の２３年６月に川浦龍生（三迫）との王座決定戦で４回ＴＫＯ勝ちし、日本王座に就いた。現在はＷＢＡ８位、ＷＢＣ１０位、ＩＢＦ７位、ＷＢＯ９位と主要４団体すべてで世界ランキング入り。世界が見えてきているが「今は目の前の試合に集中したい。高山は強ぇなと周りに思ってもらえるような試合をしたい。内容は見てのお楽しみ、ということで」と静かに闘志を燃やした。 　一方、２０１１年の東日本フライ級（５０・８キロ以下）新人王の青山は、プロ１６年目で初の王座挑戦。「自分のできる限界ギリギリまでやってこられたので、今はすごく落ち着いている」と話した。初の１０回戦にも「これまでの試合で８回戦を戦っても、セコンドの（元ＷＢＡ世界スーパーフライ級王者の）セレス小林会長に『あと２回は行けますね』などと話すくらい余裕がありました」とスタミナ面での不安はない。試合には３人の子供とおいっ子が応援に駆け付けてくれるという。青山は「覚悟を決めて、自分を裏切らないようにやります。自分の持っているものを出して、絶対に勝ちます」と気合を入れた。 　勝者は来春のチャンピンカーニバルで、挑戦権を獲得した山口仁也（三迫）と対戦する予定だ。