カニのふんどしアニメ化 佐治谷話、鳥取市長ら試写
鳥取市佐治町に伝わる民話「佐治谷話」を題材にしたアニメーション作品が完成した。鳥取県の冬の味覚を代表するカニの食べ方にまつわる民話「カニのふんどし」をアニメ化した。制作スタッフなど関係者が23日、鳥取市役所で深沢義彦市長を表敬訪問し、試写会も開かれた。 日本財団と一般社団法人「日本昔ばなし協会」が取り組む「海ノ民話のまちプロジェクト」の一環。全国の海にちなんだ民話をアニメ化し、次世代へ語り継いでいる。 「カニのふんどし」は、カニを食べる時は、カニのおなかにあたる部位「ふんどし」を取り外すのが作法だと教わった男が主人公。妻の実家で初めて食べる際、カニではなく自分のふんどしを脱ぐという失敗談だ。 試写会には、同協会の代表理事でアニメ制作を指揮した沼田心之介監督や「佐治谷話」を佐治弁で語る「さじ民話会」の山本輝美会長、深沢市長が出席した。 アニメは約5分半で、語り部が子どもたちに民話を語り聞かせる構成となっている。深沢市長は「ほのぼのして面白い。次世代につなげる大切な取り組み」と評価。シナリオや絵コンテの作成段階から監修を担当した同会の山本会長は「絵があることでより分かりやすくなった」と喜ぶ。 沼田監督は「海の民話は津波の怖さなど教訓話が多いが、今回はユーモアのある話。語り部が少なくなる中、アニメも活用して次世代につないでもらえたら」と願いを込めた。 アニメ「カニのふんどし」は動画投稿サイト「ユーチューブ」などで24日から公開される。
日本海新聞