日本版DBS法案審議へ 女性が証言…中学時代の教師から性被害「被害なくなるよう」訴え
日テレNEWS NNN
来週にも国会で、子どもを性暴力から守るための法案の審議が始まります。柱となるのが、「日本版DBS」です。
「日本版DBS」とは、子どもに接する仕事に就く人に性犯罪歴がないか、学校や保育所などに確認を義務づける制度です。痴漢や盗撮などの条例違反を含む性犯罪の前科がある場合、受けた刑罰によって10年または20年の間、子どもと接する業務に就けなくなります。 子どもを守るためには、どんな制度作りが必要なのでしょうか。私たちは被害者、そして加害者を取材しました。2週にわたってお伝えします。5月2日は、中学時代の教師から4年あまりにわたって性被害を受けていた女性の証言です。 ◇ 2日、東京・霞が関にあるこども家庭庁を訪れた石田郁子さん。日本版DBS法案の国会での審議を前に、要望書を提出しました。 石田郁子さん 「法案が出された後ではあるのですが、少しでも良いものになってほしい」 実は、石田さん自身が性被害を経験した当事者。最初に被害にあったのは、中学卒業間近だった15歳のときでした。
男性教師から性被害 石田郁子さん(46) 「美術の先生に『美術館の招待券があるから行かないか』と誘われて、途中で私がおなかが痛くなって、車で先生の家まで行って」 加害者は美術教師の男性。一緒に訪れた美術館で腹痛に襲われた石田さんを、自宅に連れて行ったといいます。 男性教師から性被害 石田郁子さん(46) 「(教師が)近くに座ってて“何か口が近づいてくるな”と、“このまま黙ってたら、口がくっついちゃうな”と思って、一応その先生のあごを押さえる形でよけて。『実は好きだったんだ』と言われて、その後キスされてっていうのが最初の被害です」 当時は、これが"性被害"だとは、分からなかったという石田さん。 男性教師から性被害 石田郁子さん(46) 「何が起きたか分からなくて、怖いとか気持ち悪いとか、そういうのが何もない。本当は今振り返るとすごく怖い経験をして、もう怖すぎて、自分が感じる範囲を完全に超えてしまっていた」 その後も教師からの誘いは続き、行為もエスカレートしていきました。 男性教師から性被害 石田郁子さん(46) 「車の中で上半身の服を脱がされたり性行為とかいろいろ。誰かと付き合う経験がなかったので、自分で判断する余裕がなかったというか、向こうの言われるままにちょっと従っていたようなところがあった」 脅したり、口止めしたりすることもなく、石田さんに対しては「好きだ」などと言っていたという教師。 男性教師から性被害 石田郁子さん(46) 「学校の先生を疑う発想がない。まして(教師が)悪いことをすると思ってないので、だから先生がそれだけ真剣なのかと、当時は思ってしまった」 そうした教師との関係に、石田さんは違和感を持ちつつも大学2年生になるまで4年あまり、関係が続きました。 加害者が、教師など絶対的な立場の場合、被害者は心身ともに支配され、恋愛と思い込まされ、被害だとは気がつかない場合も多いといいます。