人気のカードゲームだったタロット、なぜ占いの道具になったのか 18世紀の転機とは
現代に復活したタロット
1970年代、冷戦の混乱と緊張のなか、平和への願いとともに、ニューエイジ運動が盛んになった。タロットもそんな時代を反映し、占いとスピリチュアリズムの基礎としての役割から、セルフヒーリングの道具へと変化した。 さらに近年では、メンタルヘルスを包括的に支援するための方法が模索されるなかで、タロットが再び注目を集めている。 78枚から成る標準的なタロットは、世界的な不安の時代に、感情への意識を高めるものとみなされている。タロットにはさまざまな人気のテーマがあるが、それは、いつの時代にも人々が共感でき、かつ現実逃避できる視覚的表現を求めていることの表れだ。ルネサンス時代の混乱と戦争のなか、初期のタロットを使っていた人々は同様の慰めを得ていた。
文=Pedro Ortega/訳=荒井ハンナ