高額療養の上限引き上げ 高齢者の外来特例も見直しへ 影響試算提示
医療費の患者負担に月ごとの限度を設けた「高額療養費制度」の改正をめぐり、厚生労働省は12日、70歳以上の外来(通院)にも限度を設ける「外来特例」について、見直した場合の試算を示した。特例の廃止か2千円の引き上げで、加入者1人あたりの保険料は、年間200~2千円下がる見込みとした。 同省は制度全体を改正する考えで、外来特例についても今回の試算を参考に見直す方針。外来特例では、月額の自己負担の上限が、70歳以上の一般的な収入の層で1万8千円、住民税非課税世帯は8千円に設定されている。 試算では、廃止と2千円の引き上げを組み合わせて算出した。1人あたりの年間保険料は、廃止で700~2千円減、2千円増で200~600円減になる見込みという。 高額療養費制度は、大きな手術などで医療費の支払いが膨らんだ際、所得などに応じた限度額を上限に負担を抑える仕組み。同省は、負担額の計算に使う基礎的な部分の金額を引き上げる方針だ。
朝日新聞社