かわいい顔したSUVタイプを公道試乗! フィアットの新型EV「600e」の走りはどうよ?
――マイルドハイブリッドは日本市場に上陸しなかった? 渡辺 9月10日にステランティスジャパンが都内で会見を開き、来春、1.2リットル直3エンジン搭載のマイルドハイブリッドの導入を予告しました。 ――なるほど。気になるのは600eの走りです。率直な感想から教えてください。 渡辺 モーター駆動のEVですからアクセル操作に対する反応は機敏です。最高出力は156馬力、最大トルクは270Nmなのでパワフルな感じではありませんが、街中を走るには適度な性能です。ステアリング操作に対する反応も正確でした。 ――乗り心地は? 渡辺 一般的にクルマの乗り心地は低速域で硬さが感じられても速度が高まると快適になります。しかし600eは逆の印象を受けました。 ――どういうこと? 渡辺 段差を通過したときの突き上げ感は、低速でも高速でもあまり変わりませんが、高速になると段差を通過した後に、ボディが数回にわたり上下に揺すられます。もう少し上下動の収まりを向上させてほしいですね。 ――室内の居住性は? 渡辺 前席は肩回りのサポート性はいま一歩ですが、腰から大腿部を確実に支え、長距離移動も快適です。 ――不満はないと? 渡辺 ただし、後席は足元空間が少し狭い。身長170㎝の大人4人が乗車すると、後席に座る乗員の膝先空間は握りコブシひとつです。ほかのSUVはコブシふたつ半が多い。 ――フィアット600eの価格は585万円ですが、ライバル車はどれになります? 渡辺 シャレた輸入車でいうと、ミニがEVを充実させています。5ドアボディのエレクトリックミニエースマンEは価格が491万円、SUVのエレクトリックミニカントリーマンEは593万円です。 ――日本車なら? 渡辺 SUVタイプではありませんが、日産リーフのe+Gは、装備が充実していて価格は583万4400円。トヨタはSUVスタイルのbZ4Xを用意しており、G(FWD)の価格は550万円です。 ――ズバリ、フィアット600eはどんな人が買うべきクルマですか? 渡辺 シャレたEVが欲しい人でしょうね。個性的なフロントマスクや、今回試乗したオレンジ色の外装色は、ほかのEVでは得られない600eならではの魅力ですよ! 撮影/山本佳吾