ニッポンは「衰退途上国」なのか…エンゲル係数がG7首位の衝撃
〈エンゲル係数 日本圧迫 G7で首位 時短優先、割高でも中食〉 17日付の日本経済新聞日曜版に、そんな見出しの記事が載って、ネット上でも話題になった。 【写真】たった50円で?岸田政権が最低賃金引き上げに「好循環」とドヤ顔も現実ガン無視に庶民激怒 消費支出に占める食費の割合が日本で急伸し、主要7カ国でトップに。記事では、〈身近な食材が値上がり〉して家計に重くのしかかり、〈実質賃金が伸び悩む〉なかでも、共働き世帯は〈家事の時短のため割高な総菜など中食〉に頼らざるを得ないと指摘。 さらに、エンゲル係数が高くなりやすい高齢者の急増も、その背景にあるとしている。 その日経の記事を受けた、こんなXのポストが注目を集めていた。 〈エンゲル係数が高いのは貧しい発展途上国とされてきましたが、「衰退途上国」の日本でも同じことが起きているようです〉 その〈衰退途上国〉というフレーズに、〈流行語になりそう〉〈言いえて妙〉なんてリアクションも。〈金持ちしか生きられん日本〉〈いずれ暴動・反乱が起きますね〉といった悲観論や、〈半額の肉や魚で自炊するのがほとんど〉なんて切実な声も飛び交っている。明日をも知れぬほど切羽詰まっていなくても、牛肉を食べなくなったとか〈衰退〉を肌で感じている人は多いはずだ。 都内の私大職員は「お金がないから昼食抜きって学生、結構見かけますね。友達と外で会うときも、外食しないために自宅で食べてから出かけるとか。確かに日本は衰退したなと感じますね」と顔をしかめる。 大手スーパー店長はこう明かす。 「総菜や弁当に割引シールを貼るのを待ち構えるお客さんは以前からいましたけど、今じゃ残った弁当が3個なのに、30人ぐらいが遠目でうかがっていたり。お金持ちそうなマダムも争奪戦に加わるなど、恥も外聞もなくなりつつあるような」 都内の個人経営のとんかつ店では値上げはせずに、ご飯のお代わり無料を1杯までにした。 「〈物価高で大変だね〉と気にかけてくれる常連さんもいますけど、〈もう来ない〉と文句を言われたり。すさんだ感じのお客さんが増えてきたかな」と店主。 生活経済ジャーナリストの柏木理佳氏は「年金だけではまともに暮らせず、家に閉じこもるしかない。〈老人には死ねというのか〉と嘆く高齢者が増えている現実が、衰退の最たる例では。皆が皆、気持ちに余裕を失って衰退に拍車がかかる予感がします」と話す。 中食に頼れるうちは、まだマシか。