伝統野菜の「在来品種データベース」公開 10年かけ調査した280品種 農研機構など
岐阜県や愛知県の木曽川流域の一部で栽培されている守口大根では、品種特性として、ダイコン品種の中で、最も根長が長いことで知られていることや、愛知県扶桑町の農家が育てた191.7センチメートルの守口大根が「世界最長の大根」としてギネス世界記録に認定されているとしている。名前については、大阪府守口市で栽培されていた守口大根に由来する説と、長良川流域で栽培されていた美濃干し大根、長良大根ともよばれた細根大根に由来するとの説があることも記載している。
データベースの利用は、研究者に限らず一般の人も想定している。「今は流通量が少なく市場で取り扱いにくい在来品種だが、祖先が工夫して食べてきた歴史や文化的背景を持っている。生産者だけで継承を担うのは難しい状況下で、伝統野菜や雑穀などに関心のある人や、地域の食の歴史や文化を調べたい人など幅広く利用してもらい、在来品種への興味をできる限り多くの人に持ってもらいたい」と江頭教授は話す。
今後は、国内に2000~3000品種ほどある伝統野菜を中心に、データベースに収容する在来品種を少なくとも300品種まで拡充し、より検索しやすいシステムに改修していく予定だという。