古河電工など3社、グリーンLPガス海外製造検討。ニッケル系「ラムネ触媒」技術など活用
古河電工、アストモスエネルギー、オランダ・フュートリアフューエルの3社は14日夕、グリーンLPガスの海外での製造・供給を共同で検討すると発表した。古河電工が有するニッケル系の「ラムネ触媒」などの技術を活用する。さらに共同検討する2社の商業化ノウハウや国際的なLPガス供給網を生かし、バイオガスなどの合成ガス原料から年間数百万トンのグリーンLPガスを製造・供給する体制確立を目指す。 古河電工はアストモスエネルギーと昨年から化石燃料によらないグリーンLPガスの社会実装に向け取り組んできた。今回の基本合意書(MOU)締結で海外でのグリーンLPガス開発の製造・供給パートナーとしてフュートリア社が加わる。 古河電工では社会課題解決型事業の創出に注力し、新事業のテーマの一つにグリーンLPガス創出を位置付けている。その一環で多孔質結晶材料の微小な孔にニッケル系の触媒粒子を閉じ込め、動きを止めることで凝集を抑え長寿命化する「ラムネ触媒」技術の開発を進めている。アストモスエネルギーは三国間取引や輸入事業を主軸に世界中でLPガスを輸送・供給している。フュートリア社はエネルギーの世界有数の小売事業者SHVEのグループ企業で、バイオLPガスなどの開発に取り組んでいる。 グリーンLPガスの合成技術を有する古河電工がラボ検証・プロセスの設計開発を担当。アストモスエネルギー・SHVEの国際的なLPガス供給体制や商業化ノウハウを生かし、グリーンLPGの原料調達・製造場所・流通販売について3社で検討して、経済性の分析を進める。