全日本大学女子駅伝初出場を決めた帝京科学大、就任2年目・清野純一監督の指導で強化が一気に加速
10月5日に千葉・印西で行われた第30回関東大学女子駅伝(6区間、34.4km)。出場21校中8位でフィニッシュした帝京科学大が、見事に初の全日本行きキップを獲得した。10月27日に宮城・仙台で開催される第42回全日本大学女子駅伝(6区間、38.0km)において唯一の初出場校だ。 2024全日本大学女子駅伝出場校をチェック! 帝京科学大は東京・北千住のキャンパスを拠点に2018年春に始動した新進気鋭の女子駅伝チーム。関東大学女子駅伝ではこれまで2019年と昨年の11位が最高の成績だったが、昨年のタイムを4分近くも上回る1時間55分52秒で走り抜き、念願の全日本初出場を決めた。 宮城・仙台育英高元監督の清野純一氏(39歳)が昨年3月からチームを率いて強化が一気に加速。選手としても仙台育英高時代に全国高校駅伝、順大時代には箱根駅伝の優勝した実績を持つ指揮官の細やかな指導が早くも実を結んだ。 「1区から3区の1年生でいい位置につけ、4区以降は3、4年生で耐える」(清野監督)という構想で挑戦。1区の山田依茉(広島・世羅高卒)がトップから1秒差の2位と好発進をしたことで勢いに乗り、2区で5位、3区で6位に後退したしたもののいい流れをキープ。1年生トリオの奮起に4区以降の上級生が粘りの走りで応え、白地にゴールドの学校名が入ったタスキをしっかりとつないだ。 「それぞれの選手が70~80%の力を発揮すれば1時間56分台のタイムでゴールしてくれると思っていた」という監督の読みをしっかりクリア。各選手がプラスアルファの走りをしたことで結果的に1時間56分も切ることができた。 初の全日本進出に向けて“危なげないレース”に見えたが、残り1ヵ月に入ってひやひやの連続。「本当は使いたかったもう一人の1年生が8月の終わりに疲労骨折を起こして今大会に起用できず、夏合宿の最終日には1人がコロナに罹患。また、9月10日頃には今回4区を走った3年生の渡辺(笑夏)が発熱で3日間寝込んでしまい、一旦は想定オーダーを組み替えました。しかし、その渡辺がここに来て調子が上がり、3区までの流れが悪かった時のリカバリー要員として最後の最後で4区へ入れたことが良かったです」と清野監督は話す。 アンカーを担ったチームただ1人の4年生・山口あずさは「清野さんのおかげで練習に対しての姿勢や私生活、競技に対しての考え方が大きく変わった」と感謝し、「全日本は初出場になりますが、しっかり戦っていけるチームを作っていきたい」と抱負を述べた。 監督の郷里・宮城県で開催される全日本大学女子駅伝。杜の都にフレッシュな風を吹き込む帝京科学大のタスキリレーに注目だ。
月陸編集部