被災時も燃料供給 自家発電設備の住民拠点サービスステーション 三重の現状
過疎地域などで減り続けるガソリンスタンド問題を特集(三重テレビ放送)
5日は、津波防災の日。地震や津波でガソリンスタンドが使えなくなった際、あなたはどうしますか?過疎地域などで減り続けるガソリンスタンド=サービスステーションの今を取材しました。 私たちの生活に欠かせないガソリンスタンド。自動車のガソリンのほか、暖房用の灯油など燃料は欠かせませんが、年々ガソリンスタンドの数は減少しています。 今年1月、最大震度7を観測した能登半島地震。ガソリンスタンドには長蛇の列ができました。 そのような中で活躍したのが、住民拠点サービスステーションです。住民拠点サービスステーション(SS)は、停電時もガソリンスタンドが営業できるよう自家発電設備があることから、安定的に燃料供給ができます。 三重県内には529カ所のガソリンスタンドがあり、その約半数の263カ所が住民拠点SSとなっています。 しかし、過疎地域ではガソスタンドの数も少ないことから、中部経済産業局の長村美千代課長は「高齢化や需要減少などの理由でSSがなくなっていくと、災害時に誰が燃料供給を担うのかという課題がある」と指摘します。
県内には、最寄りの給油所まで15キロ以上離れたSS過疎地があります。津市と大台町がSS過疎地で、災害時に安定した燃料供給を受けることが難しくなる可能性があります。 長村さんは「今の時点では住民拠点SSを増やすという政策はない。現状のSSを維持することが大切」だと話します。 SS過疎地の1つとなっている津市美杉町。過疎高齢化が進む地域で町内には4つのガソリンスタンドがあり、その1つがIーENERGY(アイエナジー)奥津です。 後継者がおらず廃業寸前でしたが、エスジー有限会社が引き継ぎました。岡和樹専務取締役は「経営者が病気になり廃業を考えているという新聞記事を見た。三重県にはお世話になっているので、何か恩返しができないかと思った」と振り返ります。 町内唯一の住民SSで、地域からは継続を願う声が相次いでいました。岡さんは「災害時は発電機を回すので、いつでも給油できる。高齢の人は灯油ストーブを使う人が多い。灯油やガソリンなどスムーズに給油できるSSにしたい」と、日頃からの備えを説明します。 災害時に必要となる住民拠点SS。減らさないための対策が急がれています。