マネックスグループCEO 清明祐子さん 人生100年時代。これからは「お金に働いてもらう」ことが大事|STORY
創業者である松本大氏とマネックスグループ プレスルーム「GALAXY」にて撮影された一枚。 ――創業者でありカリスマ経営者ともいわれてきた、現会長の松本大(おおき)さんから引き継ぐにあたりプレッシャーは? 「プレッシャーは?」と、私が想像していた以上に、周りから言われました(笑)。ただ、あまり、このことを考えすぎると、松本が今までやってきたことと比較してしまいそうだったので、まずは人と比べないことが重要だと思ったんです。多様性という意味でも、人と比べずに自分らしさをどう守り続けるのかが大事だと思っています。 ――清明さんがCEOに就任されてからの大きなニュースは、なんといっても2023年10月の株式会社NTTドコモとの資本業務提携契約を締結したことかと思いますが。 契約を締結したことにより、NTTドコモさんと連携し、マネックス証券では、投資経験の少ない方や初めての方にも手軽で簡単な資産形成サービスが提供できるよう、来年1月の始動を目指し活発に動いています。 ――「投資」をすることのメリットや、すべき理由を教えてください。 デフレ続きのこの30年、企業は成長を諦め、とにかくため込もうとしていました。しかし、それがインフレに変われば、次の成長のために投資しようと考えるようになり、マインドセットが変わってきます。これは勿論企業だけでなく、個人も同じ。節約してお金を貯めるのではなくお金を使う、お金に「働いてもらう」んです。
――「お金に働いてもらう」とはどういうことでしょう。 仕事でお金を稼ぐだけでなく、資産運用という形でお金にお金を稼いでもらうということです。人生100年時代と言われる中、資産形成や運用は重要な課題。政府も「貯蓄から投資へ」とうたっていますが、残念ながらその流れは加速できていない現状があります。その流れを変えるべく投資に対しては様々な優遇措置が取られており、今、それを利用しない手はないと思います。私たちマネックスもその動きを促進するために動いていて、NTTドコモさんとの資本提携契約ももちろんその一つです。「生活の中に資産形成があたりまえにある」そんな世界を創っていきたいんです。 ――最後に今後の展望や抱負をお聞かせください。 人との出会いや仕事は、自ら動くことで、得られることが多いものです。これまでも、私は多くの人に助けられながら、人一倍の努力を続けることで、たくさんのご縁やチャンスをいただいてきました。そして、マネックスグループのリーダーとなった今、家族のような存在である社員の力を借りながら日々奮闘しています。そんな中で、共感や応援、時に厳しい意見を聞くことはとても重要であり、時に何よりの励みとなります。それらの声に常に耳を傾けながら、「松本大のマネックスから、私たちのマネックスへ」と成長していけたらと思っています。 私自身、決して華やかな道を歩んできたわけではなく、与えられた環境で地道に頑張ってきただけで、すごいエピソードがあるわけでもありません。ただ、普通の人でもちょっとしたことで道が開けるんだなとか、運とか縁で人生変わるものなんだなと、私のSTORYを読み、思っていただけるのなら嬉しいなと思います。 撮影/BOCO 取材/上原亜希子