乃木坂46、LE SSERAFIM、たかねこ、Roselia、Liella!……チャート上位に勢揃いした女性グループの楽曲を聴き比べ
<CD Chart Focus> 参考:https://www.oricon.co.jp/rank/js/w/2024-12-23/ 【写真】ディズニーを満喫する乃木坂46遠藤さくら&井上和 2024年12月23日付(12月17日発表)のオリコン週間シングルランキングへ新規にランクインしたのは、乃木坂46、LE SSERAFIM、高嶺のなでしこ、Roselia、Liella!、山下達郎、THE IDOLM@STER BRILLIANT STARSと、女性グループ勢が中心。7位の山下達郎の『クリスマス・イブ (2024 Version)』も初登場扱いですが、『クリスマス・イブ』は39年連続でオリコン週間シングルランキングのトップ100入りを果たしており、完全に前人未到の領域へと足を進めています(※1)。 1位を獲得したのは、乃木坂46の『歩道橋』。推定初週売上は約48万枚、2012年の『おいでシャンプー』から36作連続の首位獲得になりました(※2)。乃木坂46は、シングル表題曲に攻めた楽曲を持ってくることもあれば、既存のイメージを踏襲する楽曲を持ってくることもありますが、今回は後者。乃木坂46に数々の楽曲を提供してきた杉山勝彦が作曲を手掛け、その研ぎ澄まされたメロディは新たなスタンダードの香りさえします。「歩道橋」の発表にあたり、杉山勝彦はX(旧Twitter)で「嬉しいお言葉も厳しいディスのお言葉もちゃんと受け止めてまた次の挑戦をしていきます」(※3)と投稿していましたが、実に高い完成度を誇る楽曲です。 編曲には石原剛志、杉山勝彦、麻尾悠太と3人の名が並び、ピアノの清廉な響きで幕を開け、ストリングスやコーラスのハーモニーがボーカルを彩っていきます。2番の冒頭に一瞬だけ響くエレクトロニカ的なアプローチも心憎く、保守的なようでいて、時代性を見据えたうえでの逆説的なアプローチがサウンドにあると感じました。そうした要素の結実が、「歩道橋」という高い透明度を誇る美しい楽曲を生みだしています。 2位のLE SSERAFIMの「CRAZY -Japanese ver.-」は、ミニマルなリズムがループする中で、さまざまな表情を見せるボーカルがメンバーの魅力を伝えるヒップホップ。3分足らずの楽曲ながら、TikTokで非常に多くの動画で使われているフレーズがしっかりと存在しているのも見事です。 3位の高嶺のなでしこの『I'M YOUR IDOL / アドレナリンゲーム』の「I'M YOUR IDOL」は、疾走感のあるナンバーながらギターソロ以外はあまりロックには寄らず、ストリングスとピアノを効果的に配したサウンドプロダクションです。ボーカルのかわいらしさを押し出している点も、グループのカラーを強く印象づけます。かたや「アドレナリンゲーム」は、ロックやヒップホップの要素を大胆に取り込んでおり、ライブで熱く盛り上がりそうです。 5位のRoseliaの「礎の花冠」は、ロックサウンドの中でピアノが同列に響くスタイリッシュな楽曲。6位のLiella!の『絶対的 LOVER / Dazzling Game』の「絶対的LOVER」は、打ち込みのサウンドがドリーミーで浮遊感もあります。 8位のTHE IDOLM@STER BRILLIANT STARSの「アイ NEED YOU(FOR WONDERFUL STORY)」は、ホーンセクションが響く軽やかなソウルナンバー。7分以上にわたる楽曲で、今週のチャートに深みを持たせているとすら感じるゴージャスなサウンドでした。 ※1:https://www.oricon.co.jp/news/2359660/full/ ※2:https://www.oricon.co.jp/news/2359458/ ※3:https://x.com/sugisansugisan/status/1855444143746814275
宗像明将