宮崎恵美（中村守里）

　高校初日に結の友達第一号となったのは、こちらも朝ドラ初出演となった中村守里演じる宮崎恵美だ。中村は、秋元康が手がけたオーディション番組『ラストアイドル』（テレビ朝日系）から誕生したアイドルグループの元メンバー。アイドル活動と並行して俳優業にも邁進し、映画『書くが、まま』では主演、『アルプススタンドのはしの方』ではメインとなる高校生4人の一人として瑞々しい存在感を放った。 　グループを卒業して以降は俳優活動に専念し、『ここは今から倫理です。』（NHK総合）や『美しい彼』（MBS）などの話題作にも出演。NHK大河ドラマ『どうする家康』で徳川家康（松本潤）の側室・お葉（北香那）と恋仲になる侍女の美代役が印象に残っている人も多いはずだ。一見控えめだが、その佇まいや瞳に芯の強さが宿っていた。 　恵美も大人しそうに見えて、意外と積極的。糸島に引っ越してきたばかりだというが、隣の席で偶然同じお守りを持っていた結に自ら話しかける。放課後は書道部の活動に励んでおり、結にとって憧れの存在となる3年の先輩・風見亮介（松本怜生）との出会いのきっかけを作った。その風見をダシにしつつ、結を強引に書道部へ誘うなど、実は押しが強い性格の恵美。そんな彼女は派手なギャルが苦手なようで、のちにギャルとなるであろう結とぶつかりそうな予感を漂わせる。 　朝ドラにおけるヒロインの親友役は、『おかえりモネ』明日美（恒松祐里）、『カムカムエヴリバディ』きぬ（小野花梨）、『ちむどんどん』早苗（高田夏帆）、『ブギウギ』タイ子（藤間爽子）など、ネクストブレイク枠となっている。その中にはヒロインと別の道を歩み、一旦は姿を見せなくなるものの、終盤に再登場して重要な役目を果たすケースも多い。 　結は高校卒業後、かつて暮らしていた神戸の街に戻ることがすでに公式で明かされているが、陽太と恵美も彼女の青春時代を形づくるパーツで終わることなく、物語を最後まで一緒に並走してくれることを期待している。