【日本S・与田剛の目】来季もおそらくセ・リーグは混戦… 中日だって1年後、DeNAと同じ光景になっている可能性はある
◇3日 SMBC日本シリーズ2024第6戦 DeNA11―2ソフトバンク(横浜) ◆筒香、お立ち台で絶叫&劇弾にのけぞる牧【写真複数】 DeNAが日本一になった大きな要因は投手力にあると思う。4連勝で頂点に立ったが、その間の失点はこの日の2失点を含めてわずか「3」。けがから復帰した東が先発し、7イニング1失点で勝利に導いた第3戦で潮目が変わった。 連敗した第2戦まで、DeNAバッテリーには「強力打線に打たれたらいけない」という意識が強く、かわすような投球で四球が多かった。それが第3戦は「やられたら仕方ない」と開き直ったように、ストライクゾーンで勝負するようになった。相手を意識するのではなく、自分たちが何をしたいかを考え、捕手の戸柱は際どいコースではなくアバウトに構えるようになった。第6戦の与四球は0。これは偶然ではないだろう。 今年のDeNAは今永、バウアーと主力2人が抜けながらも日本一になった。試合前、三浦監督に来日1年目で8勝し、日本シリーズでも活躍したジャクソンについて聞くと「人間性がいい」と答えていた。日本の野球に適応したいという思いが強く、シーズン序盤は制球力に苦しみながらも我慢し、試行錯誤を続けたという。同じ来日1年目のケイも含め、その過程も大きかった。 来季もおそらくセ・リーグは混戦だろう。最下位の中日にだって、1年後、DeNAと同じ光景になっている可能性はある。そのために必要なことは、投手はストライクゾーンで勝負すること。そしてこのオフ、外国人を含めて必要な戦力を整えていくことだと思う。(本紙評論家)
中日スポーツ