今季わずか2勝の青柳にメジャー関係者が熱視線 希少な変則サイドハンド獲得へ争奪戦も 「鬼筆」越後屋のトラ漫遊記
今季わずか2勝の投手が来季、メジャーの打者を「ゴロキング」の異名通りにゴロの山を築いて抑えていくならば、日本球界の投手たちにとっても大きな励みになるでしょう。言葉は悪いかもしれませんが、青柳でも?活躍できるのであれば自分も…という投手は加速度的に拡大していくはずです。
■国内の空洞化懸念
今オフ、日本球界からはポスティングシステムで佐々木と小笠原が、そして海外FAで菅野が大リーグに挑戦します。そこに青柳も加わります。日本プロ野球12球団中、4球団の主戦投手が一挙に海を渡るのです。
すでに大谷と山本由伸は今季、ドジャースのワールドシリーズ制覇に大きく貢献し、ダルビッシュ有、松井裕樹はパドレス、今永昇太と鈴木誠也はカブス、吉田正尚はレッドソックス、千賀滉大はメッツ、前田健太はタイガース、菊池雄星もアストロズで活躍しました。今や日本人選手のメジャーでの活躍は当たり前のような時代に入ってきました。来オフには村上もポスティングシステムで大リーグ移籍の方向です。
日本の選手たちが野球の本場・大リーグで大活躍する姿はとてもワクワクしてうれしいのですが、一方で心配になるのが日本プロ野球界の空洞化ですね。各チームの主力が高年俸のメジャーに次々と移籍する流れを、日本の12球団は条件的にも止められなくなってきています。今や「日本のプロ野球は大リーグのマイナー組織だ」という声すら聞こえてきます。さらに、国内は少子化で野球をする少年少女の数が年々減っています。このままでは一流選手は後ろを振り向かず米国に向かい、下から新たな選手がなかなか供給できない状況が生まれます。結果として日本プロ野球の選手の質と量が低下し、レベル的にも停滞…の危機を迎えかねません。
日本野球機構(NPB)や12球団にとっては喫緊の課題です。いかに選手の質と量を保ちながら、全体としてのレベルアップを目指すのか…。目の肥えた日本の野球ファンのニーズに応えていくためにもレベルの低下は許されません。