今季わずか2勝の青柳にメジャー関係者が熱視線 希少な変則サイドハンド獲得へ争奪戦も 「鬼筆」越後屋のトラ漫遊記
阪神に入団後、9シーズンで61勝47敗。21年と22年はともに13勝をマークして最多勝に輝きましたが、岡田彰布氏が阪神監督に復帰後の直近2シーズンは8勝6敗、2勝3敗。この2年はジリ貧の成績で、青柳自身も「メジャー契約で行けたらベストだけど…」と海の向こうの評価には懐疑的でした。
もし、メジャー契約が勝ち取れず、マイナー契約ならば今季年俸2億1千万円(推定)から収入は大幅に減る可能性もあります。そんなリスクを背負っても、夢に向かって突き進むという姿勢なのですが、大リーグ関係者からは意外な言葉を耳にしました。
「青柳は菅野や小笠原よりも需要が高いかもしれない。大リーグには変則の右のサイドハンドは少なく、内外角の低めに落ちるボールを投げられるのは高く評価される。リリーフ投手として、シーズン30~40試合に投げてくれれば、チームとして非常に貴重な戦力になる。スプリット契約だけど、複数年契約を勝ち取れるのではないか」
■リリーフとして評価
スプリット契約とは、マイナー契約の選手がメジャーに昇格した際の年俸をあらかじめ決めておく契約のことです。登録日数によって日割り計算するため、当然ながらメジャー在籍日数が増えれば増えるほど年俸も増えます。来季のメジャー最低年俸額は76万ドル(約1億1600万円)で、2年後は78万ドル(約1億1900万円)。メジャーに定着すれば、最低年俸額よりもはるかに上のサラリーを受け取れる可能性が高いですね。
代理人は米大手マネジメント会社のWME社ですが、大リーグ関係者によると、10月下旬からメジャー30球団に対して「青柳」を猛烈に売り込んでいる様子で、かなりの手応えもあるといいます。現時点で、大谷が最初に入団したエンゼルスやアスレチックス、マーリンズ、ホワイトソックスなどが興味を示しているようで、「相手打線の目先を変えるリリーフ投手として評価している球団が意外に多い。先発でしか使えない菅野や小笠原に比べて、安くて使いべりしないのが人気の秘密」と言います。