それでも地球温暖化は進む。気象災害での死者は57万人以上
適応策と気候変動対策が急務
ワールド・ウェザー・アトリビューションの共同設立者であるインペリアル・カレッジ・ロンドンの上級気候学者フレデリケ・オットー氏は、アトリビューション分析が「化石燃料の燃焼が気候変動を引き起こし、気候変動が死と破壊を引き起こすという単純な事実を浮き彫りにしている」と指摘します。 気候変動を止めるために必要なものはそろっているのに、石炭・ガス・石油の使用を続けることで激甚化する気象災害で失われていく命があるという事実を軽視してはいけないと思います。 現在の世界各国の気候変動政策では、今世紀末の気温は約3度上昇してしまいます。パリ協定で掲げる努力目標である1.5度の2倍です。長い目で見ると、世界の気候は今が最も穏やかで、ここから先は激甚化の一途をたどります。 世界は、1.5度や2度、3度はおろか、1.3度の気温上昇に適応する準備がまったくできていないことになりますね。気候変動対策が遅々として進まないなか、温暖化だけが猛スピードで進んでいきます。さて、どうしましょうか…。 Source: World Weather Attribution Reference: Inside Climate News
Kenji P. Miyajima