日本被団協の田中代表委員、石破首相の核共有が「心配で心配でしょうがない」 ノーベル平和賞お祝い電話でくぎ刺すも、かわされ「(首相が)切りたがっていたと感じた」
ノーベル平和賞の受賞が決まった日本被団協の田中熙巳(てるみ)代表委員(92)は12日、石破茂首相から祝意を伝える電話を受けた。田中さんによると、首相は「直接会って話をしたい」と提案した。田中さんは快諾しつつ、米国の「核の傘」への依存など現政権の安全保障への危惧も伝えた。 【画像】石破首相の核共有を危惧する田中代表委員 午後0時15分過ぎに、田中さんのスマートフォンに着信があった。首相は「おめでとうございます」と切り出した。田中氏によると、首相は小学生のころに被爆の悲惨な映像を見て以降、核兵器をなくすべきだと思っていると話したという。田中さんは「総理がそういう考えなら鬼に金棒」と応じた。 一方で田中さんは、核共有や非核三原則の見直しなど首相の安全保障の考え方に触れ「心配で心配でしょうがない」と投げかけた。首相は「現実的な取り組みが必要」などとして議論を避け、「話す機会を持ちたい」と提案したという。 田中さんは7分余りの通話後、「被爆について知っていると言うのに、なぜ今のような考えになるのか」と首をかしげた。事前の連絡では通話時間に制限はなかったが、「(首相が)切りたがっていたと感じた」と述べた。
中国新聞社